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2022.11.09 08:30

価格よりも「価値」 業績好調のルルレモンが捉えるニーズとは


ルルレモンの製品は、競合他ブランドと比較して高価格ではありますが、顧客は、価格よりも、素材や機能といった価値を見ているように思います。そして、使って良かったら、友人や知人におすすめしてくれる。我々では“草の根”的と言っていますが、そうして広がっている傾向があります。



──日本でルルレモンはどのように受け入れられているか?

 
大きく2つの傾向があります。ひとつは、ウェルビーイングや健康意識の高まりにより、ヨガや運動を取り入れたバランスの良い生活を好むようになっていること。もうひとつが、ハイブリッドなワークスタイルの定着。いずれも他のマーケットと同様ですが、そのフレキシブルな生活に合う我々の製品が選ばれています。
 
日本の消費者の特徴としては、“品質”への知識やこだわりが挙げられます。100年続く老舗など、伝統工芸が広く根付いている影響かもしれません。その点、私はルルレモンを“現代版の工芸品”ではないかと考えています。実はルルレモンでは、リサーチ費用の大部分を素材や機能の研究にかけています。日本の消費者はその品質に注目してくれているのではないかと思います。
 
──青山店は、どんな狙いで、いつ頃から計画していたか。
 
1年ほど前から場所を探し、さまざま見てきました。青山は、そこに住む人、働く人、あるいはそこにあるお店が進歩的で、感度の高い消費者が多く訪れる場所。コロナ禍を経て、人々が何か新しいものを求める状況において、最新の製品を取り揃えて届けたいと考えています。
 

(c)lululemon
 
店舗は2階建てでルーフトップもあるので、例えば、「瞑想に興味があるけれどどう取り入れたらいいかわからない」という人々に向けてワークショップを開催するなど、コミュニティへの取り組みも積極的に行っていく予定です。


ガレス・ポープ◎ルルレモン アジア太平洋地域 シニア バイスプレジデント。2017年に入社、ヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)地域のゼネラルマネージャーを務め、地域全体の成長計画と市場拡大の推進に貢献する。コロンビア大学でMBA、ロンドン スクール オブ エコノミクスでBSc(Econ)を取得。ルルレモン入社以前はナイキで12年間勤務し、Nike Digital Commerceの北米GM、Nike Action SportsのEMEA地区GMなどを歴任。その後マッキンゼーを経て、コンバースにてEMEAのGMを努める。

編集=鈴木奈央 写真=山田大輔

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