「創造性は筋肉」 成功に必要なのは才能を変換する力

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米劇作家モス・ハートは、回顧録『Act One(第1幕)』で次のように述べている。

「昔キャンプで夏を過ごした際、疲労を克服して素早く決断することを学び始め、疲労と消耗は劇の深みにとって対になるサイレンであると徐々に気づいた。人はこの2つに支配されると、危機的状況において即興で行動する勇気や能力を奪われる。長期的に見ると、スタミナは演劇の中で才能そのものと同じくらい成功に必要なものだ」

20世紀に成功を収めた劇作家・監督ハートは、努力を通してその技術を身に付けた。この一節では、ハートがソーシャルディレクターを務め、娯楽を担当したキャンプ・ユートピアでの仕事について語られている。ハートはここで、仕事をこなすために疲労を克服する方法を学んだ。

また、ハートはこの前の節で「才能だけでは不十分で、偽りのない一流の才能でさえ十分ではなく、素晴らしさや大胆さも、それ自体十分ではない」ことを学んだとし、「演じるにしても劇を書くにしても、脚本の可能性を実現する言葉にこうした才能を変換し、パフォーマンスが劇の潜在性を最大限実現できるようにする能力が必要だ」と述べた。

目標に注目すること


ハートは、規律を維持し目標に集中し続ける必要性について記している。才能だけでは十分ではなく、根気強さとスキルの習得を通して才能を活用することが必要だ。

筆者は最近、音楽産業が集中するナッシュビルのミュージック・ロウ地区にオフィスを構える作詞作曲家のエミリー・ファルビーと会話した。彼女は毎日ミュージック・ロウに向かい、曲を書いている。一人のときもあれば、他のアーティストと一緒の場合もある。

毎週何本の歌を書くのかと尋ねたところ、彼女は5~8本だと答えた。彼女によると、コツは創造性の「筋肉」を鍛えること。この筋肉を鍛えれば鍛えるほど、人は強く(そしてさらに良く)なるのだ。

モス・ハートの教訓はエミリー・ファルビーにも受け継がれ、劇ビジネスだけでなく他のあらゆる分野で成功を収めるために活用すべき取り組み基準として使用されている。
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翻訳・編集=出田静

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