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2022.10.26

ソロプレナー、アントレプレナー、スモールビジネスの違いとは?

Getty Images

新型コロナウイルスの流行は、起業の波を生んだ。それまで考えていただけだった起業を決断する人が相次ぎ、その流れは今も続いている。

米ソフトウエア企業イントゥイットが米国の労働者8000人を対象に行ったアンケート調査では、起業希望者のうち、コロナ流行により起業の計画が加速したと回答した人は83%に上った。同社は2021年版「ニュー・ビジネス・インサイツ」報告書で、22年に立ち上げられるスモールビジネス(小規模事業)は約1700万社に上ると予想している。

では、スモールビジネスの所有者とソロプレナー(個人起業家)、アントレプレナー(起業家)の違いは何だろう? またその違いが重要なのはなぜなのだろうか?

・スモールビジネス


スモールビジネスと聞くと、カフェや専門食料品店のような家族経営の店が連想される。スモールビジネスは既に市場に存在していることが多い。スモールビジネスを新たに立ち上げる人は、そうした店に若干の独自性を加えただけの事業を行う。これは、革新的な商品やサービスを生み出すソロプレナーやアントレプレナーとは異なる。

スモールビジネス創業者の大半は、特定の場所で対面の顧客対応を行う従業員を雇う。スモールビジネスの経営はいわゆる「アメリカンドリーム」の一部であり、実際に米国ではスモールビジネスが事業全体の99.9%を占め、年間約150万件の雇用を創出している。

スモールビジネスはソロプレナーやアントレプレナーよりもしっかりした事業計画や十分な資本が必要となる。さらに、十分な人材が確保できる地域で創業することも大切だ。

・ソロプレナー


ソロプレナーは、いわばワンマンショーだ。創業者兼クリエイターであり、一人で商品やサービスを提供する。外部のフリーランサーなどを雇うことはあっても、基本的には個人で行う事業だ。

スティーブ・ジョブズやイーロン・マスク、ジェフ・ベゾスのように「帝国」を築くことではなく、自分が思う通りに運営できる事業を構築することを目指している場合が多い。事業の焦点は一つか二つ程度に絞り、時々外部から支援を受けながらも、自分一人で管理ができる忠実な顧客層を構築しようとする。

ソロプレナーの利点には、起業の初期コストや維持費が低く、人事関連の悩みがなく、仕事量を抑えられることがある。しかし、一人でできることには限界がある。あなたがソロプレナーなら、収入源を多様化したほうが良い。講座を開講したり電子書籍を執筆したりすれば、事業を拡張しつつも、独立した仕事を続けられる。

ソロプレナーの形としては、グラフィックデザイナーや写真家、イベントプランナー、ウェブデザイナー、コンテンツクリエイター、フリーのライターなどがある。こうした事業を拡張するには、独自の商品を開発したり、ユーチューブで「ハウツー」動画を掲載するチャンネルを開設したりする方法がある。
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編集=遠藤宗生

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