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2022.10.25

カリフォルニアはリモートワーカーにとって最悪の州なのか

Getty Images

黄金州と呼ばれるカリフォルニア州だが、労働者にとっての現状は、これ以上ひどくなりようがないくらいに最悪だ。

そして、さらにまたひとつ危険信号がともった。この州で働きたい人々にとって、よくない知らせだ。

これ以前にも、AB5と呼ばれる州法(配車サービスなどで単発的に働く「ギグワーカー」を、請負業者ではなく従業員として扱うよう義務付ける労働法)により、カリフォルニア在住の多くの人々が独立請負業者として働けなくなるという激震が走った。2019年に同法が成立したことを受けて、全米の多くの企業は単に、カリフォルニアに住むフリーランサーを雇うのをやめた。フリーランスの仕事の柔軟性や在宅勤務を志向するギグワーカーは、経済的損失に苦しむことになった。

だが、カリフォルニア在住のリモートワーカーたちにとって、もうひとつ悪い知らせが生じた。

「芝生の手入れ版のウーバー」とも呼ばれるローンスターター(LawnStarter)は先日、「2023’s Best Cities for Remote Workers(2023年版リモートワーカーに優しい都市ランキング)」を発表したが、このランキングのワースト10が、すべてカリフォルニア州の都市で占められたのだ。

このリポートでは各都市を、インターネット接続の質と使いやすさ、ウィーワークのようなコワーキングスペースへのアクセス、州が提供する移住費補助の有無および多寡、収入増加機会の多寡といった基準で評価している。

シリコンバレーが生み出す莫大な富や、ハリウッドの世界規模の成功により、カリフォルニア州の生活費が高騰しているのは周知の事実だ。リモートワーカーはふつう、居住地を問わず仕事に対して報酬を支払われるので、カリフォルニアに住むことの負の側面は明らかだ。不動産価格だけでなく、税金に関しても、あまりに高すぎるのだ。

カリフォルニア州の家族向け住宅価格の中央値は80万ドルを超える。全米平均は42万9000ドルだ。現在、住宅市場には下げ圧力がかかっているが、この価格差が現状を物語っている。

それだけではない。カリフォルニア州の所得税は、その他の州税と合計すると、全米で飛び抜けて高い。カリフォルニア州の実質税率は11.56%であり、過酷な税率としてしばしば引き合いに出されるニューヨーク州の7.4%をはるかに上回る。一方、所得税率がもっとも低いのはワイオミング州で、わずか1.2%だ。

前述のリポートによれば、リモートワーカーに最適な州はテキサスだ。

都市ランキングの首位に輝いたプレイノに加えて、フリスコが2位、オースティンが7位に入っている。フロリダ州のタンパ(3位)、ジャクソンビル(9位)もトップ10入りを果たした。

もちろん、リモートワーカーに優しい都市ランキングで高順位の都市に魅力を感じない人には、外国に移住するという手もある。

forbes.com 原文

翻訳=的場知之/ガリレオ

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