デザインだけじゃない、使い勝手も大きく変わる第10世代のiPad
まずは2010年の誕生後から進化を続けて、今年第10世代になったiPadからだ。今回はデザインを大きく刷新して、ホームボタンを省いたオールスクリーンデザインになった。側面はiPad ProやiPad Air、iPhone 14シリーズと同様にエッジがシャープに立っている。
Touch IDによる指紋認証センサーは本体側面のトップボタンに内蔵する。外出先などでマスクを着用したまま画面のロック解除ができる。Face IDによる顔認証に対応するiPad Proよりも、第10世代のiPadの方が外出時用のモバイルデバイスとして小回りが効きそうだ。
筆者はアップルが発表したプレスリリースで第10世代iPadの画像を見たときに、10.9インチの画面サイズだけでなく、デザインも現行第5世代のiPad Airと同じなのかと思った。実機を並べてみると、第10世代のiPadの方が4つのコーナーの丸みが大きい。そして第10世代iPadの方が0.9mmほど本体が厚い。
右が第10世代のiPad。左側第5世代のiPad Airは本体が0.9mm薄い。コーナーの面取り形状もiPad Airの方が少しシャープだ
デジタルコネクタは第9世代までのLightningからUSB-Cに変更した。USB-C充電を採用するデバイスが昨今増えているので同じケーブルが共用しやすくなる。ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチのバッテリー残量が不足してきたら、USBケーブルでつないでiPadから充電もできる。
USB-Cコネクタになると、1つ不便なことはApple Pencilを直接挿して充電ができなくなることだ。第10世代のiPadは、Lightningコネクタを搭載する第1世代Apple Pencilに対応している。Apple Pencilとのペアリング設定や充電には専用の「USB to Apple Pencil」アダプターとUSB-Cケーブルが必要になる。外出中にApple Pencilのバッテリーが切れそうになったときのために、2つのアクセサリーを常時持ち歩くのは手間だ。アップルにはiPadのUSB-Cコネクタに直接挿せるApple Pencilを開発して欲しい。
新設計の「Magic Keyboard Folio」が快適
第10世代iPadの専用アクセサリーとして同時に発売を迎える「Magic Keyboard Folio」の使い勝手がとても良かった。iPadによるテキストタイピングやドキュメント作成全般の効率が上がる。
Magic Keyboard FolioはiPadのディスプレイカバーの役割も兼ねるキーボードと、iPadを守るバックパネルの2つのパーツにより構成される。キーボードはiPadの側面にあるSmart Connectorを介して給電されるので、別途バッテリーの充電やBluetoothによるペアリングが要らない。マウスの役割を担うトラックパッドも搭載する、1台3役の専用アクセサリーだ。
第10世代のiPad専用アクセサリーとして登場するMagic Keyboard Folio。フルサイズのキーボードが打ちやすい