ウッドは、ラスベガスのホテル「アンコール・アット・ウィン」で開催された「Forbes/SHOOK トップ・アドバイザー・サミット」のインタビューで、「電気自動車や人工知能、DNAシーケンシング、ブロックチェーン技術などのイノベーションは、いずれも強いデフレトレンドを引き起こす」と語った。イノベーション市場の時価総額は現在7兆ドルだが、2030年には210兆ドルの規模になるとウッドは予測している。
2022年には、自身のファンドを構成する多くの銘柄が、2020年のパンデミック時の高値から急落し、ファンドが大きな損失を出したにもかかわらず、ウッドは、ディスラプティブ・テクノロジーと成長企業への投資という自身の作戦をとり続けた。アークの旗艦ファンドである「アーク・イノベーションETF」は、金利上昇がテック株を直撃したため、2022年に60%以上下落している(ベンチマークであるS&P500の下落率は25%だ)。
ウッドが会社を設立した2014年以来、このETFは、年率10%近いリターンを誇ってきた。フラッグシップであるアーク・イノベーション・ファンドは名を上げ、2020年には150%近く急騰したが、2021年には、S&P500が27%上昇する中で24%下落し、価値の5分の1以上を失った。アーク・イノベーションETFの運用資産は、2021年以降に200億ドルも減少している。
2022年の市場の混乱に対応するために、アークは「最も確信の持てる銘柄」にポートフォリオを集中させた、とウッドは説明する。アークは保有銘柄数を減らしたが、その分を、テスラやZoom、ロク(Roku)といったお気に入りの大物銘柄に追加した。アーク・イノベーションETFを構成する銘柄は現在34銘柄で、2022年初めの57銘柄から減少している。
ウッドは、高インフレと米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げの影響による経済的痛みが収まれば、自身のファンドは再び市場を上回ると考えている。「米国の長期的なイノベーションに賭けない人は、悪いビジネスをしている可能性が高い」と同氏は主張する。