ウッドは、FRBの金融引き締めと利上げを声高に批判してきた。10月10日にはFRBに公開書簡を書き、政策の誤りを警告している。
「FRBの全会一致については懸念している」とウッドは述べ、FRBとジェローム・パウエル議長は、今が1970年代だと思っていると指摘した。現在のインフレは、むしろ「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックや、ロシアとウクライナの戦争による供給ショックの作用」による方がはるかに大きいというのだ。
「現在の市場には、インフレに対する極端な恐怖心がある(中略)誰も大きな賭けをせず、誰もが身を縮めており、(投資されない)キャッシュは過去最高値に達している」とウッドは述べる。破壊的イノベーションを起こす企業の多くが、すでに「次の強気市場サイクルの新しいリーダー」に進化しているにもかかわらず、投資家たちは今年のひどい市場背景を理由に、「進行中のイノベーションを恐れすぎている」とウッドは懸念する。
技術革新はデフレ圧力の主要な推進力であり、こうした破壊的イノベーションを起こす企業の多くは、さまざまな産業で新たな効率性を生み出している、とウッドは指摘する。特にホリデーシーズンには、膨大な在庫を抱える小売業者が積極的にコスト削減をせざるを得ないため、物価はさらに順次下落し、インフレは収束に向かうだろうという。
「FRBの政策路線が変化し、幹部のあいだで反対意見が増えれば、あるいは、インフレ率が急速に低下すれば、市場は再び落ち着きを取り戻すだろう」とウッドは述べ、「最悪のインフレ懸念はすでに過ぎ去った」と付け加えた。
不確実な市場環境にストレスを感じている投資家たちへの、ウッドからの最高のアドバイスは、「我慢して反発を待とう」だ。「株式と債券がともに下落しているため、分散投資は難しい。しかし、インフレ懸念が収まれば、大きなチャンスが生まれるため、どちらの資産クラスも成長するだろう」
ウッドはさらに、暗号通貨に対する強気な見方を改めて示した。「ビットコインは真のマネー革命だ。準備通貨(通貨当局が対外決済準備として保有する外国通貨)としてドルを持たない国々にとっては、非常に重要な保険となる」とウッドは述べる。そして、2030年までにビットコインの価格は130万ドルまで急騰すると推測した(現在ビットコインは1コイン1万9000ドル前後で取引されている)。
(forbes.com 原文)