天文学界での主要な成長分野は、太陽系の外にある恒星を周回する系外惑星の研究だ。ここで異星人が発見される可能性は当分ない。つまるところ、最新のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)でさえ、できるのはせいぜいそれらの惑星の大気から最も基本的な生命の痕跡を見つけることくらいだ。
しかし、天文学者たちが遠方の銀河や星を探究している現在、世界中の電波望遠鏡が夜空のすべてに向けられている。もし、偶然そこで地球外技術文明が見つかったら何が起きるだろう? あるいは、異星人文明からメッセージを受け取ったら。
オンラインで公開され、Space Policyが将来掲載するために受理した最新論文は、そんなシナリオの「レアルポリティーク(現実政治)」を検討している。「何が起きるべきか」ではなく「何が起こるだろうか」だ。
これはなかなか魅力的な読み物だ。
著者らは、ペンシルベニア州立大学地球外文明センターとNASAに所属しており、知的生命体に遭遇した際にとるべき3つの行動を提唱している。
・組織と国家間における透明性とデータ共有
・「発見後」プロトコルの開発
・政策立案者の教育
これらは、異星人が発見された時に起こりうるいくつかの心配なシナリオに対応している。
著者らの大きな心配事は、各国があらゆる異質な知性とのコミュニケーションに関する情報独占に走る可能性だ。そのような行動は国際紛争につながると彼らは指摘する。
これは過去にも検討されてきた問題だ。2020年にSpace Policyは、SETI成功による似たような厄介な顛末を指摘する論文を掲載したが、提案された解決方法は異なっていた。