ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡とNASAのX線観測衛星チャンドラのデータを組み合わせた4つの新しい合成画像が公開され、望遠鏡の連携が改めて証明された。
前者が赤外線を使用するのに対して、後者はX線を検出する。いずれも人間の目には見えないので、これらの画像は異なる波長の不可視光に色を割り当てるフィルターを使うことで、人間の視覚に届けられている。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)にNASAのX線観測衛星チャンドラのX線レイヤーを加えた合成画像(X-RAY: NASA/CXC/SAO; IR [SPITZER]: NASA/JPL-CALTECH; IR [WEBB]: NASA/ESA/CSA/STSCI))
4枚の画像はウェッブが今年公開した「first light」に続く画像集からのものだ。そこには銀河団(SMACS J0723)、銀河群(Stephan’s Quintet、ステファンの五つ子)、恒星が生まれる星雲(カリーナ)、および銀河(カートホイール、車輪銀河)の画期的な観測画像が含まれている。
最近チャンドラは、ウェッブの赤外線よりも高いエネルギーのプロセスを捕獲できるX線波長のデータを同じ対象から収集している。
1. ステファンの五つ子
読者は本記事上部にある画像と同じようなものをおそらく見たことがあるだろうが、こうは見えていなかったはずだ。中央に、チャンドラ望遠鏡が捉えた明るい青色の新しいレイヤーが見える。このデータは、銀河の1つが時速200万マイル(320万キロメートル)で別の銀河の中を通過したことで起きた超高温ガスの衝撃波の存在を表している。
2. 車輪銀河
このカートホイール(車輪)銀河の新しい合成画像(上)へのチャンドラの貢献は、まったく新しい青と紫の色に見ることができる。これが超高温ガス、爆発する個々の恒星、中性子星および他の星から物質を引き寄せていることで見えるブラックホールの存在を明らかにしている。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)にNASAのX線観測衛星チャンドラのX線レイヤーを加えた車輪銀河の合成画像(X-RAY: NASA/CXC/SAO; IR [SPITZER]: NASA/JPL-CALTECH; IR [WEBB]: NASA/ESA/CSA/STSCI)