経済・社会

2022.10.07 07:45

王室のスリム化図る英国王、来年6月に「小規模」な戴冠式を計画か


ただ、バッキンガム宮殿によると、およそ1千年前から同じ形式で行われてきた国王の戴冠式は、実際には厳粛な宗教的儀式だ。1066年のノルマン・コンクエスト(ノルマン征服)以降、ほぼすべての君主の戴冠式で、英国国教会の最高位の聖職者であるカンタベリー大主教が、儀式を執り行ってきた。

チャールズ国王も戴冠式では、まず宣誓を行い、1626年以降すべての王が使用してきた戴冠の椅子(14世紀ごろに作られた「エドワード懺悔王の椅子」)につき、大司教から頭に聖油を注がれ、祝福を受け、聖別される。国王はオーブとセプターを受け取り、大司教がその後、国王の頭に聖エドワード王冠をかぶせる。

国内には反対の声も


一方、英国のすべての人々が、戴冠式を祝福しているわけではない。反君主制の団体「リパブリック」は、エリザベス女王が亡くなった直後、チャールズ国王の戴冠式は「共和制支持派の大規模な抗議活動に出迎えられるだろう」と明言。

同団体のグレアム・スミス代表は公開した文書で、「チャールズはすでに国王だ。高額の費用がかかるパントマイムを上演する必要は、まったくない」と述べている。

また、英国が「生活費の危機」に直面するなか、多額の費用をかけて戴冠式を行うことに対する批判の声は、ほかの批評家たちの間からもあがっている。

Forbes.com 原文

編集=木内涼子

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