中国の転売屋が路上で新品iPhone 14を安売りし始めた

中国の路上で売られる新品のiPhone 14。公式販売価格より500~1000元も値下げされている(Wonderfulengineering)

中国の転売屋が新品のiPhone 14を街中の路上で売り始めている。しかも、アップルの希望小売価格より500~1000元(約1万~2万円)も値下げして売らざるを得なくなり、投資の回収に苦労しているという。

転売屋は、現実問題として自由市場の一部を担っているし、その存在が野放しになっていることも否定できない。仕入れられるものがあればすぐに手に入れ、新製品を待ちきれない金持ちに法外な値段で売りつける。だが、この商売にリスクがないわけではない。中国メディアによると、転売屋は、仕入れたばかりのiPhone 14の販売価格を公式の販売価格よりも低く設定せざるを得ず、損切りに追い込まれているという。

転売屋が路上でiPhone 14を売り始めた


路上でiPhone 14を並べて座る転売屋の写真が、中国のネットで話題になった。



こんな予想外の事態が生じたのは、誰もアップルが新製品の販売をこれほど上手に管理し、消費者の期待以上の納期を実現できるとは思っていなかったからだ。さらに、景気低迷が懸念され、中国における携帯電話の需要が平均より下回ったことや、スマートフォン市場の競争がこれまで以上に激化しているという事実もある。

転売屋は本来、1台あたり最低5000~6000元(約10万~12万円)の利益を乗せて販売する。ところが今回は、上のような事情で公式の販売価格よりも安値で売って損切りしなければならなくなってしまった。中には、逆に仕入れた価格よりも1000元(約2万円)も安く売る羽目になった転売屋もいるという。

最近では、広州市のショッピングモール、天環広場の入り口でしゃがみ込んで必死に販売する転売屋の写真がSNSで拡散され、惨めな状況がいっそう注目を集めている。

本稿は英国のエンジニアたちが立ち上げたテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」からの翻訳転載である。

翻訳=上林香織 編集=石井節子

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