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2022.09.27

バンク・オブ・アメリカ、黒人とラテン系向けの住宅ローンを発表

Getty Images

黒人とラテン系の住宅購入者たちは、不動産市場が活気を取り戻している今、ようやく米国最大の銀行の支援を受けられるようになった。

バンク・オブ・アメリカが新たに発表した「コミュニティ・アフォーダブル・ローン・ソリューション」は、複数の都市における黒人およびヒスパニック・ラテン系地区で利用可能だ。

917の大都市圏における住宅資産の総額は、2010年の15兆9000億ドルから、2020年には24兆1000億ドルにまで増加した。住宅資産の格差是正は重要な課題だ。ブルッキングス研究所によれば、不動産は一般的に、資産形成に最も大きく貢献する要素であるからだ。

黒人の住宅所有率は現在45%にとどまっており、白人の72%と大きく差がついている。黒人とヒスパニックの世帯は、他の人口集団が恩恵を得ている不動産利益から取り残されている。それどころか、住宅価格の高騰により、こうした家庭がより安価な住宅を求めて、慣れ親しんだ地区を離れるケースも多い。

だからこそ、「コミュニティ・アフォーダブル・ローン・ソリューション」には、ゲームチェンジャーの役割が期待されている。このプログラムには、信用スコアの最低基準や抵当保険がなく、住宅購入者の審査は、収入と居住地区だけを基準におこなわれる。

ローン比較サイト、レンディングツリーによる最近の報告によれば、黒人の住宅購入希望者の場合、申請した住宅ローンを却下される確率は、全体的確率の2倍にのぼる。もしも黒人の住宅所有率が白人並みになれば、黒人世帯の資産は約4万ドル増加し、人種間の資産格差は約30%縮小するという。

エリオット・アンド・アバカス・ウェルス・パートナーズ(Elliott and Abacus Wealth Partners)の報告書によると、現状の傾向が続けば、2064年には白人世帯の平均資産総額は278万2727ドル、黒人世帯の平均資産総額は78万9164ドルとなり、実に70%もの格差が生じるという。
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翻訳=的場知之/ガリレオ

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