一方で、中国経済は減速し、新型コロナウイルス関連の規制が旅行需要を抑制する中でも、長期的には中国の航空会社はより多くの欧米の飛行機を必要とすると、業界ウォッチャーは予想している。ボーイングは、今後20年間に中国が8485機の旅客機を導入し、世界市場の約20%を占めると予測している。
しかし、その中でボーイングが獲得するかもしれないシェアは、トランプ政権時代に始まった米国の対中貿易戦争などの影響で脅かされている。さらに、その貿易戦争が、C919の今後に疑問を投げかけている。米国政府は2020年後半から、米国の企業が中国軍と関係のある企業に部品を輸出する場合、特別なライセンスの申請を義務付けている。
米国が不満を募らせた結果、中国への部品の輸出を完全に停止する可能性もある。その場合、C919をすべて中国製の部品で作り直すためには、10年から15年が必要になるとAboulafiaは述べている。
エアバスのギヨム・フォーリCEOは昨年、COMACがC919の信頼性と成熟度を実証するには時間がかかるが、少なくともある程度の市場シェアは確保できると予想していた。「おそらく2020年代の終わりまでに、この業界は2社の独占から3社の独占に移行することになる」と彼は述べていた。
一方、ボイドは中国の民間航空分野は基本的にまだスタート地点にあると考えている。「中国は旅客機プログラムで遅れをとっているわけではない。実際、彼らはまだ始めてもいないのだ」と彼は語った。
(forbes.com 原文)