そして2019年に2回のタッチダウンを成功させ、2020年12月6日に日本にサンプルを届けました。そのサンプルの中には小惑星リュウグウの気体も含まれており、地球圏外からのガスのリターンは世界初の快挙となったのです。そのほかにも、はやぶさ2は小型ロボットによる小天体表面の移動探査、人工クレーターを作成、地球圏外の天体の地下物質にアクセスなど、多くの「世界初」を実現したと報告されています。
はやぶさ2は、世界で初めて小惑星からのサンプルリターンをした小惑星探査機「はやぶさ」の後継機です。はやぶさは小惑星イトカワを探査しましたが、はやぶさ2は別の種類の小惑星であるリュウグウを探査する目的で出発しました。C型の小惑星であるリュウグウの抗生物質には有機物や水が含まれていると考えられています。
はやぶさ2がリュウグウを調査することで、惑星の起源をはじめ、地球の海の水はどこから来たのか、生命を構成する原材料はどこでできたのかなどを探求するヒントとなるのです。つまりはやぶさ2に課されたのは、太陽系の誕生、そして生命誕生の秘密に迫る重大なミッションなのです。
偉業を成し遂げたはやぶさ2は、試料の入ったカプセルを分離して地球に届けた後、また宇宙へ旅立ち、今も拡張ミッションを続けています。
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