Web 3.0は日本にとって大チャンス、Astar Networkの可能性

ステイクテクノロジーズCEOの渡辺創太


ステップ・バイ・ステップで目指すDAO化


Web 3.0は「中央集権的」だったウェブ2.0との対比で分散型であると語られる。Astar NetworkはDAO化を果たすのかと問うと「今は『中央集権的』にものごとを進めている最中」だと渡辺はいう。

「我々がDAO化するのは、機能面、システム面がある程度、安定してきた時になると思います。今は我々がリードして物事を進め、早く他のプロジェクトとの差をつける、もしくは追いつくフェーズにある」

ウェブ2.0の中央集権的な考え方は悪だという短絡的な考え方に渡辺は異論があるという。

「『中央集権的』なウェブ2.0にも分散型のWeb 3.0にも、どちらもいいところがある。エコシステムの早い段階においては中央集権的にものごとを進めた方が、より人に使われるプロダクトを作ることができます」

ただ、数百万人が接続するようなインフラは、中央集権的に管理することによる弊害が起こってくる。それが今であり、ウェブ2.0が主流である世の中だ。

「その規模になった時にはDAO化すべく、今はステップ・バイ・ステップの分散化を意識して動いているところです」

日本発のパブリックブロックチェーンへ


実はステイクテクノロジーズが本社をシンガポールに移転したのは、2020年の創業の1年後だった。保有するトークンも課税対象になる日本の法人税制のためだ。

「このままでは日本の開発者の国際競争力を保っていくのが非常に難しい」と憂いつつも「日本発のパブリックブロックチェーンとしてグローバルの第一線で結果を出し、デファクトスタンダードになっていきたい」とあくまでも渡辺は「日本発」であることにこだわる。

「今は海外で展開せざるを得ませんが、ある程度の結果を出して日本に『輸入』し、しっかりと日本で実績を作って米国等に持っていきたいんですよね」

そう思う理由について、渡辺は青年らしい笑顔を見せて話した。

「僕の後ろに続く人たちに、創太さんにできるんだったら自分にも何かできそうだと思ってもらいたいんです」

渡辺自身の今後については「3年くらい後には会社を精算するのが目標」だという。どういうことか。

「Astar Networkというプロトコルは誰の持ち物でもなく、世界中の数万人、数十万人の開発者達に伝えられるネットワークになっていく。ステークテクノロジーズがなくなってもAstar Networkが動き続ける世界は、僕の資本主義におけるチャレンジなのです」

編集=安井克至

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