2代目バチェラー小柳津林太郎の偏愛漫画『クッキングパパ』|社長の偏愛漫画 #3

小柳津林太郎(GHOST代表取締役CEO)


小柳津:実は2021年10月、僕は荒岩を追いかけるように東京から博多へ移住したのです。するとますます『クッキングパパ』が大好きになりました。

1985年に連載が始まったこの作品には、福岡の都市開発や社会情勢の変化、ここ30年の歴史がつぶさに描かれています。小倉にある「天寿し京町店」に出かけたら、うえやま先生のサイン入りの原画が額装してありました。

福岡で食べ歩きをしていると、あちこちの店に先生のサインが飾ってあって、子どものころ読んだ『クッキングパパ』をますます読み返したくなる。街のあちこちに、荒岩の足跡が刻まれているのです。

おばあちゃんが昔からつくってきた郷土料理や発酵食品、甘酒には、化学調味料なんて入っていません。自然由来の有機食材を使った無添加・無化調の健康食品です。現代人はいまごろになって「食育」「SDGs」「ウェルネス」と食のあり方を追求していますが、食と健康のソリューションはとっくの昔から目の前にありました。

『クッキングパパ』に描かれる愛おしい料理の数々を見ていると「温故知新」という言葉に気づいてハッとするのです。

僕はいま、ニューヨークや博多で暮らす家族や親戚と、LINEグループで『クッキングパパ』ネタを投稿し合っています。国境も距離も年齢差も越えて、料理と食が家族の共通言語になる。『クッキングパパ』は僕たちを幸せにしてくれる永遠のバイブルです。


『クッキングパパ』うえやまとち モーニングKC 既刊162巻(2022年7月現在)
福岡・博多で暮らすサラリーマン荒岩一味が、新聞記者として働く妻・虹子や子どものために手料理を振る舞う。連載37年、シリーズ累計4,000万部超の「世界最長」の料理漫画。コミックスのカバーに書かれた「料理って楽しいんですよー!!」に荒岩の料理愛が凝縮。


おやいづ・りんたろう◎1981年、京都府生まれ。2006年サイバーエージェント入社。18年にAmazon Prime Videoの人気番組「バチェラー・ジャパン」で2代目バチェラーに就任。19年に独立、GHOST創業。飲食・サプリメント・オンラインサロン事業を立ち上げる。現在はウェルネスブランドの準備に奮闘中。

栗俣力也◎TSUTAYA IPプロデューサー。絶版書の復刊プロデュースやヒット本の発掘で知られ、業界で「仕掛け番長」の異名をもつカリスマ書店員。「TSUTAYA文庫」や漫画原案も手がける。

インタビュー=栗俣力也 文=荒井香織

この記事は 「Forbes JAPAN No.096 2022年8月号(2022/6/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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