ウォルマートは先ごろ「Walmart Creator」と「Walmart Creator Collective」という商標の登録を申請した。ソーシャルメディアに関するコンサルティングの提供や「インフルエンサーを通じた商品やサービスのプロモーション」にかかわるものだという。実現すればウォルマートの競争力の向上に役立つとみられる。
ウォルマートはすでに食品雑貨類やアパレル製品の販促のほか、ロイヤルティープログラム「Walmart+」でインフルエンサーと協力している。
インフルエンサーはインスタグラムやユーチューブ、TikTok(ティックトック)、ピンタレストで多くのフォロワーを抱え、企業とのアフィリエイトプログラムに参加している場合には、紹介した商品を閲覧者らがページ内のリンクから購入すれば紹介料として収入を得られる。
ウォルマートの新たなプラットフォームができれば、ライバルのアマゾンへの対抗策にもなりそうだ。アマゾンは2017年以降、大規模なインフルエンサーチームづくりを積極的に進めており、アマゾンと協力するインフルエンサーはアマゾンのウェブサイトでのおすすめ商品などについて、独自にオンラインページを作成できるようになっている。
アマゾンのインフルエンサープログラムは業界「最強」レベルと言われ、裏を返せばこれがウォルマートをインフルエンサーの活用強化に動かせているとも考えられる。
ウォルマートはまた、デジタル広告部門「ウォルマート・コネクト」を通じてサードパーティー販売者が広告を購入できるようにもしている。2021年の広告売上高は20億ドル(約2700億円)ほどとなっている。
ロイターの記事はメディア企業のインフルエンサー・マーケティング・ハブの予測として、インフルエンサーマーケティングの市場規模は2022年に164億ドル(約2兆2500億円)規模に拡大するとも伝えている。
一方で、インフルエンサーがすすめた商品を購入したあとにもっといい商品が見つかったといった経験から、インフルエンサーの商品紹介に不信感を抱く人もいるようだ。インフルエンサーのおすすめ商品を買った人のうち、3分の1はそれを一度も使わず、25%は届いたあとに欠陥品だとわかったという回答結果もある。