民間向けのジェット旅客機は1950年代から徐々に増加し、ボーイング社「707」による大型化や長距離飛行、安全性の高さで商業的な成功をあげ、現在では長距離移動手段として世の中に欠かせないものとなっています。
日本国内の航空旅客数は、2010年以降LCC参入によって一時的に増加したものの、新型コロナウイルスのまん延により大幅に減少しています。そんな中、今後カギとなるのは国内への観光需要です。
コロナ禍のビジネスにおいてはオンライン会議が当たり前となり、出張機会が減り航空機需要は減少しました。これが常態化すれば、航空業界のビジネス需要はさらに減少すると思われます。一方、観光需要は外出制限の撤廃により、回復が期待されているのです。特に海外への渡航制限が完全に撤廃されない内は、海外需要は減り国内旅行が増えると想定できます。
航空業界が赤字を脱却するためには航空運賃設定もポイントとなってきます。チケットの事前購入比率が高く利益率の高いビジネス客が減る中で、各航空会社では国内線の運賃の値上げで対応しました。しかし、今後もやみくもにチケット代金を上げればせっかく需要が伸びてきた国内観光客の足を引っ張りかねません。物価上昇も加速する中でバランスの取れた価格戦略が求められます。
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