しかし、実のところ独身を意識的に選んでいる人もたくさんいる。結婚が他の人にとってより良いものであるように、独身であることも彼らにとってはより良いものなのだ。社会として、私たちは異なるライフスタイルを選択する人々を尊重し、寛容であるべきだ。
独身を好む人は案外多いという研究結果がある。ある推計によれば、成人の約半数は長期的で親密な関係を結ぶことが難しく、結果的に独身でいる時間が長くなるという。大丈夫、それでまったく問題はない!
自分がそうした人間であるかどうかは、どうすれば判断できるのだろう? ここでは、あなたが結婚を含む伝統的な関係よりも独身生活を好む人物かもしれないことを示す3つの特徴について紹介する。
子どもを持つことの優先順位が低い
もちろんほとんどの人は、生物学的な力によって、子孫を残し家族を持ちたいという欲求を経験する。しかしこの世で重要なことは、生物学と進化だけではない。子どもを持つこと以外に人生を捧げる選択をする人も多い。だが、それは何の問題もない。大切なのは、自分自身に正直であることだ。
家族を持つかどうかといった難しい決断を迫られたときに「他人や社会が私に求めていることなのか」ではなく、「自分がやりたいことなのか」というところからスタートするようにしよう。
ところで、影響力のある人の中にも、子どもを持つことを選ばなかった人がたくさんいる(もちろん、お金がなかったからというわけではない)。一部だがオプラ・ウィンフリー、コンドリーザ・ライス、ジョン・ハム、リッキー・ジャーヴェイス、グロリア・スタイネムなどがそうした人たちの例だ。
親とそうでない人の幸福度について、どのような研究結果があるだろうか? ご想像のとおりだ。親でない人は「その場限りの幸福感」が高く、親になった人は「内面的な幸福感」つまり人生の充実感をより強く感じることができる(また、仕事を持っていることは、恋愛や結婚よりも人生の満足度にとって重要であるという研究結果もある)。
さらに、ある種の幸福が他よりも「優れている」ということはまったくなく、それは自分自身と自分の目標次第なのだ。もし自分の目標が、その時その時の気分を良くすることで、人生を全体として眺めることにあまり関心がないのであれば、子どもを持つことや長期的な関係を持つことは、少なくとも今の時点では自分にとっては正しいことではないのかもしれない。
とはいえ、生物学的な現実を無視して、自分の人生のあるべき姿を定型化するのは良い考えとはいえない。
進化心理学者のメネラオス・アポストルーは、人間の本性は長期的な親密な関係を求め、維持するように形成されていること、そして、そうした関係にないことは、人によってはネガティブな感情の連鎖を引き起こしかねないと、私たちに警告している。