植物由来の食品メーカーのビヨンド・ミートは、売上見通しを引き下げたにもかかわらず、株価を22%近く急騰させた。投資家は、従業員の4%をレイオフしコスト削減に踏み切る同社の計画を歓迎した模様だ。
オンライン中古車販売のカーヴァナの株価も、積極的なコスト削減を行っていると発表した翌日に40%も急騰した。
株式取引アプリのロビンフッドの株価も、総収入が前年比44%マイナスという悲惨な第2四半期決算と同時に23%の人員削減を発表した後の3日に12%上昇した。
EコマースプラットフォームのShopifyの株価も、7月26日に個人消費の減少とレイオフを発表して以降に約30%上昇している(ただし、同社の株価はレイオフの発表直後には14%急落していた)。
7月下旬にブルームバーグは、自動車メーカーのフォードが電気自動車(EV)への移行の一環として8000人の従業員を削減する計画だと報じたが、同社の株価もそれ以降に20%近く上昇している。
LPL Financialのチーフエコノミストのジェフリー・ローチは、直近のノートで、「企業がコスト削減のために解雇を増やす中でも、個人消費は今のところ堅調であるため、米国経済は不況ではない」と主張した。ただし彼は、米連邦準備制度理事会(FRB)による2回連続の75ベーシスポイントの利上げに続く金利の引き上げは、「企業の投資に大きな打撃を与えている」と指摘している。
5日に発表された米労働統計局の最新データによると、米国経済は7月に前月比で52万8000人の雇用を増加させた。これはアナリスト予想の25万8000人を大幅に上回る数値で、景気後退への懸念を後退させた。一方で、失業は3.5%に低下し、2020年2月の大不況前の水準に戻り、リセッションへの懸念の中で、労働市場の堅調ぶりを示している。
バイタルナレッジ創業者のアダム・クリサフリは、失業率が低下した一方で企業からはレイオフや新規採用の凍結が相次いでいることを指摘し、「これらのデータを整合させるのは非常に難しい」と述べている。