今回は、トップバッターとして来年早々に発売開始となるATTO3を試乗してみたので、そのレポートをお届けしょう。
ATTO3(中)を皮切りに順次新型車が登場する。
でも、ATTO3の話をする前に、BYDの最近の作戦を振り返ってみよう。
BYDにとって、日本は最初の外国進出だろうか。そうではない。実は、同社のグローバル発表計画では、まずは2月に中国とオーストラリア、3月には香港、7月にはシンガポール・日本(発売開始は23年1月)、そして22年の秋から冬にかけて、オランドやノルウェーなどの欧州国々に発表していくらしい。北米はまだ未定だ。日本国内では25年までに100店舗規模の販売ネットワークを整備する計画も発表されている。実は、僕が乗った車両は、オーストラリア仕様の右ハンドル車だった。
BYDとはどんな会社なのか。同社はEV専業メーカーではないけど、数年前から「NEV」というか新エネルギー車(中国におけるカテゴリーでEV/PHEV/FCVのこと)の販売台数世界一ということで、世界に知られるようになった中国の民営系メーカーだ。とは言っても、やはり日本ではBYDの認知度はまだゼロに近い。これから半年ごとに新車を出すことによって、少しずつネームバリューを上げていくだろう。
では、ATTO3をチェックしてみよう。同車の外観とスペック表をパッと見てわかるのは、BYDはATTO3を登場させることによって、誰にでも受けるようなEVを出そうとしているということ。今人気のハッチバック形式で、航続距離の割と長いこと、そして標準装備を充実しているところが顧客に好かれるポイントではないだろうか。まだ、国内の価格は発表されていないけど、オーストラリアでの$44,380という価格を見て、日本円に換算すると、およそ410万円ぐらいにはなるだろうか。実は、その$44,380という価格は、オーストラリアでの最も安いEVになる。
外観は割とシンプルでプレーンな感じ。正直なところ、全体的なプロポーションを見ると、確かにATTO3はスタイリッシュではあるけど、すぐに老けてしまう可能性があるように思う。なんか特にヘッドライトまわりを見ると、先代のホンダCR-Vみたいなルックスになっていると感じた。ATTO3のルックスはどうか。正直なところ、同車のテクノロジーのレベル、走り、航続距離、それに標準装備は世界的な水準まできているにもかかわらず、外観の印象はコンサバ。スタイリッシュではあるけど、すぐ老けそうな感じ。やはり、アウディETRON、ボルボC40、ヒョンデ・アイオニック5、日産アリアみたいなEVのデザインセンスにはまだ届いていないと思う。リア斜めから眺めると、ステランティスのDSを想起させるデザインで、パネルには波紋のような凹凸がデザインされている。かなり凝ったデザインになっている。