不安を抱えた人がみる夢の特徴 メンタルヘルスの新しい研究結果

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また、リムシュの研究によれば、不安症の患者は自分の夢を分析し、分解する傾向が強いという。リムシュは、この傾向には2つの理由があるという。

1. 不安障害で苦しむ患者は、一般に、目が覚めている間の経験や出来事にとらわれ、心配する傾向がある。このこだわりが、夢の中にも引き継がれる

2. また、不安な人は、夢を目が覚めている間の問題の鍵として見る傾向があると、リムシュは推測する。夢の解釈に執着することで、目が覚めているときに経験する問題を解決しようとするのだ

しかしリムシュは、不安症の患者は、目が覚めているときの生活と夢の間の負のフィードバックループに陥ってしまう可能性があると警告している。つまり、良くない夢は、目が覚めているときの不安症状を悪化させ、それがさらに不安をかき立てる夢を見させる可能性があるということだ。

リムシュは「この『悪循環』とも表現されるプロセスは、そう簡単に断ち切れるものではありません」と説明する。「それを断ち切るには、プロの心理療法士による専門的できちんとした助けを必要とします」

また、リムシュは、不安があるために嫌な夢を見ることに悩んでいる人にも、同じようにアドバイスをしている。

「このような夢を定期的に見る人に私ができる最善のアドバイスは、心理学者に相談することです。より良いのは、現役の心理療法士、最も望ましいのは現役の精神分析専門医に相談することですが」と説明する。「そうした人たちは、通常、クライアントの不安障害だけでなく、夢に取り組むことにも必要な経験、スキル、知識を持っているからです」

心理学者アントン・リムシュの研究についてのインタビュー全文はこちらから。(What does a clinically anxious person dream about? 「臨床的に不安な人はどんな夢を見るのか?」)

翻訳=酒匂寛

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