研究者は、人が「YOLO」やその他の類似の考え方を採用するのは、それはおそらく、危険だったり、自己中心的だったり、あるいはやれるうちに「人生をめいっぱい生きる」愚かな行動を、正当化したいからだと説明している。
とはいえ、この研究のために参加者が共有した200以上の自己規定的な記憶の中では、不必要に危険な活動やわがままな活動の記憶を共有した人はいなかったことが指摘されている。参加者は他の重要な自己特性を描くことにより関心を向けていた。
したがって、YOLO的な考え方をすることがある人は、そのライフスタイルと他の特徴(長期目標の追求、他者への配慮、感謝、報恩)のバランスを取ることを忘れないようと研究者は助言している。
それは「もし『一度しかない人生』なら、自分がいなくなった後、自分を覚えてくれている人たちの目に、その人生がどう映っていたいか」ということだと説明する。
最後に研究者らは、若年者、中年者、高齢者のいずれも、同じ自己規定記憶の共有パターンをとること、すなわち他人の目に自分がどう記憶されるかを想像させると、より高潔な記憶が多くなることを指摘している。
「特に若い世代に伝えたいことは、高齢者は死ぬまで、最高の自分になろうと努力していることが多いということです」と彼らは説明する。
彼らはこの研究が、年齢層の垣根を取り払い「死ぬまで良い人生を送っていたい」という人生の中核的な動機が、ライフスパンを超えて人々に共有されていることを指導者たちが認識することに、微力ながら貢献できればと願っている。
「いつかあなたも私も、そしてこれを読んでいるすべての人も死ぬのです。それは不可避で逃れようがありません。それは、『誰かの記憶に残りたい』『愛する人をより良く記憶したい』という思いと同様、ときを超えて人類に共通したものなのです」と結論づけている。
心理学者のスーザン・ブラック、エミリー・ムロズ、キアナ・コグディル・リチャードソンのインタビューの全文はこちらで読むことができる。「How thinking about death can help you figure out what to do with your life(死について考えることは、自分の人生について考える役に立つ)」。