また、ファンとして閲覧していたメディアのサービス自体が終了になってしまう場合もある。たとえば2022年3月31日でサービスを終了した「TechCrunch Japan」の記事は、もう見ることができない。
しかし実は、過去のWebページを見る方法は存在する。またお気に入りのページや資料として保存したいページを手元で保存する方法もある。今回はWebアーカイブサービスと呼ばれるサイトにはどのようなものがあるのか、現在利用可能なサイトを調べてみた。
まずは国内のWebアーカイブサービス
まずは国内のWebアーカイブサービスを2つ紹介しよう。国内サービスを利用する最も大きなメリットは、ページ内の文章が日本語であることだろう。初めてWebアーカイブサービスを使う場合は国内のサービスを使うほうが何かとストレスがないためおすすめだ(なおここで紹介したサービスは本稿の最後に「表」としてまとめたので、併せて参考にされたい)。
1. Evernote Web クリッパー
Chrome・Firefoxの拡張機能だ。ユーザーが閲覧中のWebページの記事・簡素化した記事・PDF・任意の範囲など多くの形式やニーズに対応してEvernote内に保存できる。広告やサイドバーを除いて必要な部分のみ保存することも可能だ。Evernote Webクリッパーにはスクリーンショット機能があり、蛍光ペン・図形・マーカー・テキスト入力・モザイクなどの画像加工をして保存できるのがほかのサイトと違う特徴だ。ただWebページを保存するのではなくメモなどを書き込んで残しておきたい場合に便利なサービスである。
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2.ウェブ魚拓
その名の通り、指定したURLをそのまま魚拓として保存できるサービスだ。主に引用を目的として提供されている。他者のWebページをそのまま自分のブログに引用すると、引用元が削除された場合ブログ内に空白が生まれてしまう。空白化を避けるために一度Web魚拓をとり、Web魚拓のURLを貼り付けることでブログ内に引用した内容が表示されるという利用方法だ。
すべてのWebページに対応しているわけではなくrobots.txtでキャッシュ禁止とされている場合はウェブ魚拓はとれないが、一般的なほとんどのサイトには対応しているため利用ユーザーは多い。まとめサイトなどでも多く利用されているので、利用場面を見たことがある人もいるのではないだろうか。
3.WARP
Web Archiving Projectの略称であり、国立国会図書館が運営する公的なWebアーカイブサイトだ。日本国内のサイトに限定して収集されているのが大きな特徴である。
国の機関・自治体・法人・機構・大学・政党を中心に保存されており、一般ユーザーも無料で利用可能だ。ちなみに表示言語は日本語・英語を選べるため海外のユーザーも英語でサイト内を閲覧できる仕様になっている。ユーザーの任意のWebページを保存するのではなく、過去のWebページを検索・閲覧するために活用できる。