ニューヨーク市場でWTI先物の期近物はこの日、前日比約2%安の1バレル約98ドル(約1万3300円)で取引を終えた。国際指標油種とされる北海ブレントの先物も記事執筆時点で100ドル近辺で推移している。
5日には両油種とも今年3月以降で最大の下げ幅を記録し、WTIはおよそ2カ月ぶりに100ドルの大台を割り込んでいた。
今回の相場下落はリセッション懸念の高まりが主な要因とみられている。とはいえ、世界的に石油の需要が高く、供給は少ないという点は基本的に変わっていないとみる市場関係者は多い。
実際、金融大手のバークレイズやゴールドマン・サックス、UBS、RBCはいずれも、原油先物相場は年末までに110〜130ドルに回復すると予想している。
ゴールドマン・サックスのアナリストらは、世界の原油供給が依然としてタイトであることを踏まえれば最近の相場下落は「行き過ぎ」だと分析。「今後リセッションに陥るリスクは高まっているものの、現在の石油不足は解消されていないという点が、(原油相場について)われわれが強気な見方をする主な根拠になっている」と説明している。
一方、シティの商品調査担当グローバルヘッド、エド・モースは6日のブルームバーグのインタビューで「ほぼすべての人が今年の(石油)需要見通しを下方修正している」と指摘している。同社は原油相場は年内に65ドルまで下がる可能性もあるとみる。
いずれにせよ、来年の原油相場については概して今年よりも見通しが暗く、数社は100ドル割れを予想している。