2021年全世界の発電量で風力とソーラーが過去最高10%を供給

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石炭


世界の石炭消費量は2014年をピークに減少を続けてきた。しかし、2021年の消費は6.3%跳ね上がり、ほぼ2014年レベルに達した。

中国の石炭消費量は4.9%増で、史上最高だった。中国はいまだに、他を引き離す世界最大の石炭生産・消費国であり、世界シェアは消費が53.8%、生産は50.8%だった。

OECD諸国の石炭需要は2021年に増加したが、それでも同レビューの1965年以来の歴史上2番目に低い数字だった。米国の石炭需要も2021年に復活したが、やはり1965年以来最低から2番目だった。

石炭は2021年にも世界の発電燃料を支配し続け、2020年の35.1%から36%へとシェアを伸ばした。

再生可能エネルギーと原子力


再生可能エネルギーは急成長を続けている。世界の再生可能エネルギー消費は、2021年に15%という印象的な成長を遂げ、史上最高を記録した。

ソーラー電力消費は新記録となる1.7EJ(エクサジュール、10の18乗)増加(増加率22%)したが、再生可能エネルギーの成長に最大の貢献をしたのは風力発電(+2.5EJ)だった。

風力とソーラー合計で、2021年に2894TWh(テラワット時)の電力を供給した。2010年の数値は380TWhだった。

風力とソーラーは、合わせて2021年発電量シェアの10.2%を占め、初めて世界発電量の10%を超えた。

原子力の消費は2021年に4.2%成長し、2006年以来の最高レベルになった。米国は今も世界最大の原子力エネルギー消費国であり、世界シェアの29%を占めている。中国は急速に消費を伸ばし、今や世界シェアの14.6%を占めている。これと比較して2010年に、中国の原子力エネルギー消費量シェアはわずか2.7%だった。

風力とソーラー電力の成長はまだ続く


1年前に述べたように、石油と天然ガスを生産、輸送あるいは販売する企業は近い将来安泰だろうと私は考えている。需要が再び活性化すれば間違いなくそうなるだろう。

しかし、風力とソーラー電力の成長ストーリーは今後まだまだ続くと信じている。世界が輸送システムの電化を進めるにつれ、電力需要は著しい増加が見込まれる。増え続ける負荷に耐えるために、再生可能エネルギーには大きな期待がかかっている。

サプライチェーン問題は、当分の間世界のエネルギーシステムを制約し続けるだろうが、インフレの高まりで世界が不況に陥れば、見通しは劇的に変わるかもしれない。

翻訳=高橋信夫

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