経済・社会

2022.07.01 07:00

暴落する暗号資産は「それでも」世界を救うことができるのだろうか?

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暗号資産の投資家にとって、この数カ月は悪夢のような日々だった。ビットコインが2021年11月に6万9000ドル(約940万円)の過去最高値を記録して以来、保有するビットコインの価値の70%が流出するのを見てきた。全体として、投資家らは資本金の半分以上(55%)、推定2兆ドル(約272兆円)の市場損失に苦しんできた。

ビットコインが新しい準備通貨であるかのように、あるいは金本位制のデジタル版であるかのように、はたまた投資の意味の変革であるかのように、暗号資産の熱狂的な支持者らが語ることができる時代は終わった。暗号資産は、人類にとって次なる最高の希望というよりも、オランダのチューリップのような好不況を繰り返す古典的な投資のように見える。

筆者が以前のコラムで警告したように、暗号資産ブームは主要な中央銀行による組織的な政策の失敗によって引き起こされたものだ。中央銀行が通貨供給について誤った決定を下し、インフレに対処しない限り、暗号資産は堅実な投資のように見えるだろう。中央銀行がその惰性を振り払った途端、暗号資産の価値は下がり始めた。

一方、暗号資産市場の規制の脅威(ビットコインというガチョウの首を絞めるかもしれない規制)が、今安く買うのが得策なのか、市場がどこへ向かっているのか、不確実性をいっそう高めている。

しかし、ブルームバーグの報道によると、ベンチャーキャピタリストはまだ暗号資産ゲームに参加したいと考えているようだ。彼らはスマートだ。1月以降のバブル崩壊にもかかわらず、暗号資産は今後も存在すると考えている。暗号資産は、一部の人が考えたように人類を救うことはできないかもしれないが、貴重な投機手段であることに変わりはなく、他の投資が不確かであったり、変動が激しすぎて手に負えなかったりする場合には価値の保存手段にもなる。

同時に、ビットコインと暗号資産は、他の人類にとって重要かつ深遠な秘密をもたらしている。その秘密とは、暗号資産が何をするかということではなく、どのように使うかということ、たとえば分散型台帳技術(DLT)やブロックチェーンをどう利用するかということだ。
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翻訳=溝口慈子

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