経済・社会

2022.07.01 07:00

暴落する暗号資産は「それでも」世界を救うことができるのだろうか?


このシナリオでは、ステーブルコインが有利に働くことはない。これらの暗号化商品は不換紙幣と1対1の比率で固定されているため、マージンコール(不足分の積み増しを請求すること)が発生し、銀行が損失をカバーするために奔走すると結果として流動性が低下し、量子の道も閉ざされることを意味する。

答えは何か。他のコラムで述べたように、暗号資産企業はその将来を守るために量子に強い暗号資産を採用する必要がある。つまり、米標準技術研究所で標準化されているようなポスト量子暗号アルゴリズムを導入するか、量子乱数生成器と量子鍵配送を使用して台帳を横断するハッキング防止通信リンクを作成する量子ベース暗号に切り替えるということだ。

この両方を提供する量子セキュリティ企業さえある。

同様に、政府の暗号資産規制体制が業界全体に量子安全ソリューションの導入を義務づけることも理に適っている。暗号資産を量子から保護されるものにすることで、銀行から株式・クレジット市場まで他の金融セクターの次の暗号標準となる可能性さえある。

いずれにせよ、ブロックチェーンの未来は暗号資産の未来のように天秤にかけられている。今後直面する量子の脅威に賢く対処しない限り、米経済の未来も危うい。

翻訳=溝口慈子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事