ライフスタイル

2022.06.29 19:00

オフィスやレストランのCO2濃度が高いと新型コロナ感染リスクも高まる

安井克至

換気されていない場所では、気体は高速で移動し容量いっぱいに拡散する。液体が入れられた容器を満たすのと同じように、気体は同じことをはるかに速く行う。感染者と同じ部屋にいると、接触しなくても発病することがあるのはこれが理由だ。空気は、部屋の向こうからあなたのところまでウイルス粒子を運んでくる。

これが、CO2濃度が新型コロナリスクの適切な代替指標である理由だ。空気中のCO2が多ければ多いほど、もし同じ部屋に感染者がいれば、そのCO2がウイルス粒子を運んでいる可能性は高い。これを踏まえて、飛沫による感染リスクの減少に役立つツールを3つ紹介する。

1つ目はCO2モニター(二酸化炭素濃度計)だ。同じ部屋に感染者がいると仮定すると、この閉じられた空間のCO2濃度は、新型コロナ感染リスクと相関がある。個人用のモニターは50ドル(約6700円)程度で買うことができるので、新型コロナ感染や後遺症を防ぐ有効な投資になりうる。また、店舗や企業は施設内のCO2濃度をモニターすることによって、顧客の安全を確保することができるだろう。

最近、私たちはニューヨーク市のさまざまな場所の典型的な日におけるCO2濃度を測定した。数値は場所によっても人の密度によって異なり、屋外の458ppmから非常に混雑した地下鉄内の2366ppmまでさまざまだった。ニューヨークでの地下鉄移動など、生活上避けられない場面は数多くあるが、CO2濃度をある程度意識することで、リスクをある程度緩和することは可能だろう。

2つ目のツールは、高効率粒子空気(HEPA)フィルターだ。HEPAフィルターは、循環する空気から最小0.3μmの粒子を除去する。新型コロナ粒子は最小0.1μmだが、HEPAフィルターは汚染されたCO2を吸い込み、ほこりやちり、さらにはウイルスを運ぶ飛沫をろ過することで、ウイルス粒子が人から人へと運ばれる機会を減少させることができる。
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翻訳=高橋信夫

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