タンパク質の代替品に対する需要を利用し、イスラエルのスタートアップであるイノヴォプロは「魔法のような食材を食品会社に販売している」と、同社のタリ・ネチュシタンCEOはいう。
起業家で発明家のアッシャー・シュムルヴィッツ博士によって2018年に設立されたイノヴォプロは、急速に成長する植物性タンパク質市場において、ひよこ豆のタンパク質が最良の選択だと考えている。そのCP-Pro 70は、クリーンラベル、非遺伝子組み換え、味わい深い、高機能なひよこ豆のタンパク質濃縮物だ。
このひよこ豆の濃縮タンパク質をベースに、イノヴォプロは最近、メレンゲやムースなどのビーガンデザート用の卵白代替品であるCP-FOAM 1001と、バーガーやチキンナゲットなどの代替肉用の史上初のひよこ豆ベースの食感(フレーク状の)タンパク質であるCP-XTURA 65の2つの新製品を発表した。ネチュシタンは「私たちはプラットフォームとなりつつあり、もはや一製品だけの会社ではありません」という。
「農場から食卓までの持続可能性」を約束しながら、イノヴォプロは、栄養価が高く、美味しく、機能的(食品メーカーが生産工程に組み込みやすい)であることに加え、その製品とプロセスが環境と世界にとって良いものであることを確実にしている。ひよこ豆は土壌を窒素で豊かなものにする輪作作物で、イノヴォプロは(現在は北米にあり、2022年は欧州にも生産を拡大する予定の)生産施設に近い地元の農家からひよこ豆を調達している。ネチュシタンによると、同社の加工は、有機溶媒を使わず、水やエネルギーの使用量も少なく、「環境にやさしい」という。
ネチュシタンは、ひよこ豆は世界中で栽培されていることを指摘し(世界で3番目に広く栽培されているマメ科の作物)、イノヴォプロは近い将来、アジア市場を調査する予定だと述べた。「食品会社は、代替タンパク質に求める条件を数多く持っています」。それはおいしいこと、アレルギーを起こさないこと、食物繊維が豊富であること、持続可能であること、乳化がスムーズであること、そして健康効果があることなどだ。「私たちは、その条件をほとんど満たしています」と、ネチュシタンいう。
最古の栽培豆類(中東で9500年前のものが発見されている)の1つが、食の未来への道を切り開くかもしれない。