江戸時代は究極のサステナブル社会だった?


エコな暑さ対策


江戸時代の人々は夏の暑さには苦労しており、夕方になると打ち水をし、縁台を出して涼をとっていた。

また、当時の家は向きを十分に考慮して設計され、大きな開口部を設けて家の中に風の道を作ることで、エネルギーを使わずに夏の暑さを乗り切れたのだ。

日射による熱を防ぎながら風だけを通す簾も、生活必需品として使用されていた。

近江商人の「三方よし」


江戸時代では「経済=経世済民」であり、GDPの数字を上げることではなく、すべての人々が救われることが目的だった。

江戸から明治にかけて日本各地で活躍した近江商人の経営哲学は、売り手よし、買い手よし、世間よしの3つを大事にする「三方よし」。企業や消費者だけでなく、社会にも貢献することを忘れないという考え方だ。

昔から持続可能な経営が行われた結果、創業年数が100年以上、200年以上の企業数はともに日本が世界一となっている。

私たちにできること




今から江戸時代の暮らしに戻るのは現実的ではない。

しかし、ものを循環させて可能な限り無駄をなくす精神は、今まさに世界中で必要とされているものである。

100年以上前の時代だが、地産地消や5Rなど、私たちが取り組めるサステナブルな暮らしのヒントがたくさん隠れている。日本はサステナブル後進国といわれることもあるが、歴史に学べば世界をリードするポテンシャルは十分にある。

何でも簡単に手に入る時代になったからこそ、1つ1つのものとじっくり向き合い大切にする江戸時代の精神から学び、1人1人が小さく実践していく心持ちを大事にしたい。その結果として、日本から再度世界をリードする文化が生まれるだろう。


【参考文献】
Japan for Sustainability
https://www.japanfs.org/ja/news/archives/news_id035760.html
https://www.japanfs.org/sp/ja/news/archives/news_id027225.html

三井住友フィナンシャルグループ
https://www.smfg.co.jp/sustainability/report/topics/detail086.html

Daiwa House Group
https://www.daiwahouse.com/sustainable/sustainable_journey/column/002/

味の素
https://story.ajinomoto.co.jp/history/002.html

※この記事は、2022年6月にリリースされた「エシカルな暮らし」からの転載です。

文=エシカルな暮らし編集部

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