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2022.06.22 08:00

売り上げ好調の家具サブスク「CLAS」 急成長支える、創業期から一貫する軸

CLAS代表取締役社長、久保裕丈(撮影=草葉あゆみ デザイン=中根涼花)


2021年11月にサービスを開始したプライベートブランド家具「CIRCLE」シリーズは、「軽やかさ」の延長線上にあるといえる。特徴は、パーツ単位で製造しているため部分破損した場合でもそのパーツ単体を交換するだけで商品を使い続けられる点だ。
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同シリーズのベッドは、強度を保ちつつ女性一人でも10分程度で組み立てられる。「軽やか」の分かりやすい例だ。

傷ついたから買い換えるのではなく、傷ついた部分だけを取り替える。売り切り型製品にはあまりない設計といえる。

「サブスクに適したものづくりをしていこうと始まったのがCIRCLEです。自社生産にこだわるのは、従来の大量生産型モデルに求められる製品要件と、持続型モデルに求められる要件が違うと考えたからでした。
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もちろん自社製品を持つことにはリスクがあります。仕入れ製品だけにしてメーカーとレベニューシェア(成果報酬型で利益を配分)をする選択肢もあるかもしれません。しかしそれでは限界があったのです」

CLAS代表の久保裕丈

CIRCLEシリーズは、修理とクリーニングを経て再度顧客が使える状態に戻るまでを一連のサイクルとし、一つの商品が廃棄されるまで何ユーザーに回ったかを示す「循環率」を重要指標にしているという。

環境に対しても負荷の低い、つまり軽やかであることを実現しているのだ。

「モノを持たずに捨てずに、自由に軽やかに暮らす。すべては、その文化を定着させるためにサービスを展開しています。どっちの道を選択したほうがより世の中を軽やかにできるか。創業以来、変わらずにこの軸だけで意思決定してきました」

事業の持続性を保つために緻密な設計がなされている点も見逃せない。久保は、プライシング(値付け)でも軽やかさの考え方を取り入れている。

「値付けを『長く使う方向け』と『短期で使う方向け』の2パターンにすべきではといった議論が社内で起こることもあります。ただ、どれくらいの期間で家具を使いたいのか、最初は分からない人もいるわけです。使い始めで選択を強いるのは軽やかじゃない。

ならば私たちがプライシングを調整する企業としての努力をすればいいだけのことです」

利用期間の縛りもなく、月額料以外は送料や返送料、交換料もかからないサービス設計にしてあるのはそのためだ。とはいえ、サービスの質は維持する必要がある。そのための最大の肝はプライシングにあるという。
次ページ > ユーザーにとって“軽やか”なプライシングの作り方

文=山岸裕一 編集=露原直人 撮影=草葉あゆみ

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