米国の新卒者は、学位および非学位のプログラムをどう見ているか

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センゲージ・グループ(Cengage Group)がまとめた2022年度の就職見込みリポートでは、米国の多くの新卒者が、自身が受けた教育に価値があるのか、キャリアの準備になっているのかについて、とまどいや不安を覚えていることが明らかになった。同リポートは、過去12カ月以内に学位または非学位プログラムを卒業した新卒者1000人を対象におこなわれた調査に基づいている。

センゲージ・グループによる就職見込み調査は、現在の新卒者が就職市場に対してどのような印象を抱いているかを調べるもので、昨年に続いて2回目になる。調査対象は、従来の学位プログラム(準学士、学士、修士)および非学位プログラム(職業訓練や履修証明)の卒業生であり、彼らの回答を集計・比較した。

主な結果は以下の通りだ。

・新卒者たちは、自分が受けた教育が、キャリアの「準備」になっているかどうかに疑問を抱いている。大学の学位プログラム卒業生のうち、学歴が自身のスキルの正確な指標になっていると答えた割合は、わずか41%にすぎなかった。非学位プログラムの卒業生は、49%が同様に回答した。

・新卒者はまた、就職にあたって十分な準備ができているかどうかや、自分がもつスキルが仕事上の目標と合致しているかどうかに不安があると回答した。その結果、新卒者全体の49%は、自分は応募資格を満たしていないと考え、新卒採用枠への応募を見送る経験があった。

・多くの新卒者が、自分が受けた教育プログラムに関して、いわゆる「購入者の後悔」を抱いていた。これは、奨学金の返済義務だけのことではない。「今からやり直すとしても同じ教育プログラムを選択する」と答えた回答者は、わずか25%だった。

・さらに、新卒者の過半数(55%)は、自分が学んだ教育プログラムについて、以前とは違った考えをもっていると述べた。回答者の41%は、もしやり直すとしたら「需要の高い分野」での資格取得に力を入れたいと答えた。

・従来の学位プログラムの卒業生では、自分が取得した学位について後悔を示した割合は55%に上った。一方、非学位プログラムの卒業生ではこの割合はやや低く、46%にとどまった。

・多くの新卒者たちは、多くの企業が依然として大卒を新卒採用枠の必須要件としていることに反対している。多くの求人では応募資格として、2年制または4年制大学卒業という条件が設定されているが、企業はこうした条件を撤廃すべきだと考える新卒者は、全体の61%に上った(2021年の調査では58%だった)。

・新卒者たちは、追加的な職業訓練に対して積極的で、関心を抱いている。「企業が費用を負担してくれるならオンライン研修や資格プログラムを受講したい」と回答した新卒者は、実に全体の95%に上った。ただし、企業が提供する教育・研修プログラムの実際の利用率と比較すると、この数字は高すぎて非現実的に見える。
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翻訳=的場知之/ガリレオ

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