ビジネス

2022.06.02

トップクラスの人たちにワークライフバランスはあるか?


誰もがトップクラスを目指す必要はない


しかしそもそも言葉の定義から分かることですが、誰もがトップクラスになれるわけでも、なる必要があるわけでもないことも忘れてはいけません。人生において他に優先したいこと、優先するべきことがある人も当然います。たとえばEC企業を運営しているとして、必死で働き続けるよりも、適度に働いて充実した生活を得る道を選ぶ人もいるでしょう。その場合、Amazonにはなれないというだけです。大企業で良い生活を手に入れても、経営幹部レベルの役職を得ようと思ったら人一倍の努力をしなければなりません。しかし、特にそういう野心がなければ、それで何も問題ありません。自分にとって幸福な道を選ぶだけです。

人生における優先順位は人それぞれです。起業家や経営幹部はこの普遍的な真理を理解し、考慮しなければなりません。自分と同じレベルの努力を全員に求めてしまったら、周りをバーンアウトさせてしまいかねないからです。


何かの分野でトップクラスを目指すなら、それ相応の努力をしなければなりません。そしてその努力をしつつ、仕事以外の人生も楽しむには、仕事と生活の「バランス」ではなく「ブレンド」を追求する必要があるのです。

この点に関しては、特に問題なく受け入れられるかと思います。

より議論の的になり得るのは、おそらく私が他の起業家(や自分自身)に対して同程度の努力を期待しているかどうかという点でしょう。確かに、期待していないと言えば嘘になります。なぜなら、スタートアップの世界ではとにかく勝つことが重要だからです。たとえばあなたがスタートアップの起業家で、競合先の起業家が自分よりも20パーセント多く努力しているとしましょう。もちろん、より努力したからといって相手が必ず勝つわけではありません。しかし、勝つ可能性は上がるでしょう。

要するに、勝つために必要な労力を注ぎ込みながら、人生全般におけるエネルギーを最大化・最適化できるやり方を見つけることが重要だということです。また、スタートアップの経営はマラソンですので、継続できるかどうかも考慮する必要があります。そのためのキャリアハックの1つが、ワークライフブレンドだということです。

P.S. 「働いていると感じないくらい好きな仕事をする」というのが史上最強のキャリアハックかもしれません。おそらく、世界トップクラスに到達した人たち全員に共通している特徴ではないでしょうか。

連載:VCのインサイト
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文=James Riney

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