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2022.06.01 08:00

地方へのUターン、決め手となる要因は?


研究チームは「大卒者の移動に関して過去に行われた調査の多くは、卒業直後に注目していたが、本研究ではより経済的に安定した30代半ばから40代前半の層に注目した」と説明。この年齢層では人生の優先順位が変わり、地元に戻る人が増えるかもしれないと指摘した。

年齢を重ねた人にとっては、子どもを安心して育てられる場所であったり、自然に近く静かで、安価な家や良い学校がある地域であったりすることも、Uターンの決め手となるかもしれない。もちろんそれ以外でも、家族の介護や家業の継承などが影響する可能性もある。

政治家や役人が都市からのUターンを奨励する際には、Uターン者が地元に戻る動機や要因をしっかり理解することが重要だ。そうすれば、頭脳流出を食い止める上で、より良い戦略を立てられる。

この調査結果はまた、都市に流出した人を呼び戻したり、若者の帰属意識を強めたりするために地元の学校に投資することの重要性も浮き彫りにした。学校側は、若者に対し地元のさまざまなキャリアを紹介し、将来の機会について認識を高めるようなプログラムを作ることができる。

研究チームは「地方には、多くの人の目に入らない多くの資産がある。皆がこうした資産を認識し、どうしたら人々を呼び戻してより平等で繁栄するコミュニティーを作れるかを理解することが重要だ」と述べた。

編集=遠藤宗生

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