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2022.05.08

ウォルマートと提携の燃料電池企業「プラグパワー」の実力

(c)PLUG POWER


国連の気候変動に関する政府間パネルは今月、二酸化炭素排出量が危険なレベルまで増加していると警告した。一方で、同パネルは、クリーンなエネルギー源や新技術を迅速に導入することで、2030年までに二酸化炭素排出量の増加率を半減させることができるとしている。

ディーゼルエンジン大手のカミンズや、EVトラックのニコラなども、グリーン水素の製造に成長機会を見出している。ニコラは、アリゾナの電力会社から購入した水と余剰電力に加え、ノルウェーのネル・ハイドロゲンが供給する電解槽を使って、1kg当たり2ドルで水素を製造できる見込みだとしている。

ニコラは、カリフォルニア州で燃料電池トラックのプロトタイプをテストしており、来年後半には商用版の製造を開始する予定だ。同社は、バッテリー駆動のセミトレーラー「Tre」の納車を開始している。

バイデン政権は、企業を支援するため、「Hydrogen Shot」プログラムを立ち上げた。このプログラムは、グリーン水素の製造コストを80%削減し、2029年までに1kg当たり1ドルにすることを目的とした80億ドルの連邦研究開発費を含んでいる。

プラグパワーは、今年中にグリーン水素を日産70トン製造することを目指している。これは、ガソリン14万ガロン(約530kl)に相当する。同社は、将来的にはより多くの量の水素を世界中に供給することを計画している。年内の目標を達成したら、次は2025年までに北米で日産500トン、2028年までに全世界で日産1000トンの水素を製造することを目指すという。

「現在、オーストラリアではFortescueと工場を建設中で、今後はアジアでグリーン水素を製造できるよう、韓国でSKと工場を建設する予定だ。また、フランスでも同様の取組みを行いたい」とMarshは述べた。

ここ最近、原油価格は高騰を続けており、ロシアによるウクライナ侵攻で、エネルギーの安全保障に対する懸念も高まっている。こうした状況は、プラグパワーに新たなビジネスチャンスをもたらしている。「私は業界の浮き沈みを経験してきたが、今はこれまでで最良のときだと言える」とMarshは話した。

編集=上田裕資

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