アルファベットの第1四半期の売上高は680億ドル(約8.7兆円)と、前年同期の555億ドルから増加したものの、伸び率は昨年記録した34%増を下回る23%増で、成長の鈍化が鮮明になった。また、売上高がアナリスト予想をわずかに下回ったことも受け、株価は時間外取引で5%急落した。
同社のコア事業の検索広告は、パンデミックから脱却した企業がマーケティング予算を増やしたことの追い風を受けているが、全体では収益の伸び悩みに直面している。
一方、クラウド部門のGoogle Cloudの売上高は予想をわずかに上回る58億ドルと、明るい材料となったものの、YouTube広告の売上高は予想を大きく下回り、アナリスト予想の75億ドルに対し約69億ドルだった。
一方、アルファベットの取締役会は、700億ドルの自社株買いを承認し、その額を昨年の500億ドルから大幅に増加させた。
26日の市場は、ダウが800ポイントも急落するなど、市場にとってまたしても悪い一日となったが、ハイテク株が下落を主導する中で、アルファベットの株価は決算報告の前に4%近く下落していた。
ここ数週間のハイテク株を取り巻く不安感に拍車をかけたのがネットフリックスで、同社は先日の決算で競争の激化と、パスワードの使い回しが原因で今期はさらに加入者が減少する見込みだと発表した。ネットフリックスの共同CEOのリード・ヘイスティングスは、広告付きの低価格なプランを検討すると述べたが、実現には2年を要するという。
「アルファベットの四半期の数字が予想を下回ったことで、ネガティブなイメージで語られているが、実際の数字は特に酷いものではなく、コア部門の検索ビジネスでは若干の上振れも見られる」と、バイタルナレッジ創業者のアダム・クリサフリは述べている。「YouTubeを不安の源泉と見る向きもあるが、前向きに考えれば、YouTubeはネットフリックスではない」と彼は指摘し、700億ドルの自社株買いがポジティブな要素を付け加えたと述べた。
アルファベットは、ビッグテックの中で最初に第1四半期の業績を発表した企業の一つで、このセクターは今年、投資家がインフレ対策としての積極的な利上げを懸念する中で、大きく下落している。アルファベットの株価は年初から約18%下落しており、ナスダック総合指数は年初から約20%下落している。