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2022.04.20 11:30

株価急落のネットフリックス、今期も「200万人減少」へ

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ネットフリックスの株価は、4月19日の時間外取引で20%以上の急落となった。これは、同社が発表した2022年1〜3月期(第1四半期)の有料会員数が前四半期から20万人の減少となり、約10年ぶりのマイナスを記録したのを受けてのものだ。ネットフリックスは、次の四半期もさらなる減少を見込んでいる。

同社が19日に発表した決算は、収益と加入者数の伸びがともに予想を下回り、株価は時間外取引で23%の急落となった。売上高は前年同期比約10%増の77億8000万ドル(約1兆円)と、アナリスト予想の79億3000万ドルを下回ったが、投資家を最も落胆させたのは、有料会員数が20万人の減少に転じ、予想されていた270万人の加入者増をはるかに下回ったことだ。

さらに悪いことに、同社は今期に200万人の加入者を失うと予想しており、その原因として会員間のパスワードの共有と競争の激化を挙げている。

ネットフリックスはまた、ロシアでのサービス停止により70万人の会員を失ったが、この不測の事態がなかったとしても、加入者数の伸びは50万人にとどまっていた。

今回の加入者減を受け、同社の有料会員数は世界で約2億2160万人となり、前の四半期の2億2180万人から減少した。

ネットフリックスは19日の株主宛ての書簡で、「当社の収益の伸びは大幅に鈍化している。アカウントを共有する世帯の増加が、ストリーミング市場の競争の激化と相まって成長の逆風となっている」と述べた。

ネットフリックスの株価は、年初から苦戦を強いられており、今年に入ってからの市場全体の下落の中で40%以上下落した。他のグロース株と同様、ネットフリックス株もインフレと金利上昇の影響を強く受けているが、同社の最近の苦戦の大部分は、競争激化に伴う加入者数の伸びの鈍化に起因している。

ストリーミング市場の競争が激化する中、競合のプラットフォームは市場シェアの拡大に向けてより多くの資金を投入している。Disney+やHBO Maxなどの追い上げの脅威にさらされているネットフリックスは、すでにコンテンツに多額の費用を投じており、その予算は2022年に200億ドル以上に達すると予想されている。

編集=上田 裕資

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