こうした質問は、行動面接(Behavioral Interview)と呼ばれる。あなたが経験した状況やタスクは何で、あなたがその時とった行動はどういうもので、そしてそこからどういう結果が生まれたかを尋ねているのだ。
もっとも、すべての面接者が「良い質問」をしてくるわけではない。たとえば、「6 Words That Ruin Behavioral Interview Questions(行動面接の質問を台なしにする6つの単語)」という調査結果によれば、自分が面接時にする質問が抱える主な問題点を正確に特定できる採用担当マネージャーは20%に満たないという。
とはいえ、あなたの面接者が、適切に訓練された採用担当マネージャーだと想定すれば、「~のときのことを話していただけますか」や「~のときのことを教えてください」といった質問をしてくることが予想される。
この手の質問に効果的に答えるには、どうすればいいだろうか? 簡単に言えば、曖昧な言葉を避け、具体的な細部をたっぷり盛り込むことだ。
筆者が創業したコンサルティング企業「リーダーシップIQ」がおこなった調査「Words That Cost You The Interview(面接に損失をもたらす言葉)」では、評価の低かった候補者は、評価の高かった候補者に比べて、質問に対する答えのなかで、副詞(非常に、本当に、すぐに、など)を40%多く使っていたことがわかった。また、低評価の候補者は、高評価の候補者よりも、断定的な言葉(必ず、絶対に、まちがいなく、など)を103%多く使っていた。
ここで、「仕事で厳しいフィードバックを受けたときのことを話していただけますか?」という質問に対する、「低く評価された候補者」による回答例をいくつか見てみよう。
「これは正直に言えますが、これまで、厳しいフィードバックを受けたことは一度もありません。ですが、厳しいフィードバックが必ずしもネガティブなものだとは思いません。それどころか、厳しいフィードバックにうまく対応すれば、懸命に努力し、成功しようとしていることを示すことができるでしょう。とはいえ、厳しいフィードバックをもらうことに関する私の個人的履歴は、まったくの白紙です」
「自分が状況を本当には理解していないにもかかわらず、自分には必ずその権利があると考えて、厳しいフィードバックをする人たちがいます。本当に素晴らしい仕事をしているのに、それでも批判されると、フラストレーションがたまるものです。ですから私は、誰かに厳しいフィードバックをする前に、必ず状況を完全に理解するようにしています」