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2022.04.11 06:00

暗号通貨の「ステーキング」に特化のスタートアップRockXの実力

(c)RockX

暗号通貨の金融サービス企業「RockX(ロックエックス)」は4月5日、シンガポールのアンバー・グループ(Amber Group)が主導する資金調達ラウンドで600万ドル(約7億4000万円)を調達したことを発表した。創業3年のRockX の評価額は3000万ドルとされた。

今回の調達には、暗号通貨業界のパイオニアとして知られる中国のジハン・ウーが設立した暗号金融サービスプラットフォームのMatrixportや、著名投資家のティム・ドレイパーが共同創業したベンチャーファンドDraper Dragonも参加した。その他の投資家には、FBGキャピタル、プリミティブ・ベンチャーズ、IMOベンチャーズなどが含まれる。

RockXは、新たな資金をプロダクト開発とサービスの強化に充てるという。2019年設立の同社は、年初から人員を2倍に増やしており、チームの拡大にも資金を使う計画だ。RockXは、機関投資家や富裕層をターゲットにした暗号通貨のステーキングサービスを手がけ、約10億ドルの資産を運用している。

RockXの創業者でCEOのChen Zhulingは声明の中で、「投資家の強力な支援を受けた当社は、世界有数のステーキングサービスとデータサービスのプロバイダーを目指す企業として独自のポジションを確立した」と述べた。

ステーキングは、銀行預金と似たサービスで、トレーダーが一定期間、暗号通貨を預けると利息を得ることができる仕組みだ。顧客から預かったトークンは、プラットフォームがブロックチェーン上で取引を検証するために使用される。

ステーキングで得られる報酬は、年間の利回り率が3〜6%とされ、銀行の金利の3倍にも及んでいる。データプロバイダーのStaking Rewardsによると、ステーキング市場の規模は2021年10月までの1年間で3200億ドルを突破し、前年の210億ドルから急増していた。

しかし、暗号通貨の値動きは激しいため、ステーキングは高いリスクを伴うのが現実だ。トレーダーは、ステークした暗号資産の価格が大きく下落し、得られる利息を上回る被害を被る場合がある。

編集=上田裕資

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