MLBがこうした変更を行う理由は明らかだ。ロサンゼルス・エンゼルスの二刀流のスーパースターに、できる限り多くのスポットライトを当てたいのだ。
そう考える彼らを、誰が責められるだろうか?2018年にMLBデビューを果たした大谷は昨シーズン、テレビで“必見”の存在となり、ベーブ・ルースとの比較に値する選手であることを、そのプレーで証明した。
そして、現在27歳の大谷はいま、その手にした世界的スター選手の立場から、さらに多額の報酬も手に入れようとしている。今年のフィールド外での収入は、およそ2000万ドル(約24億7600万円、税引き前・エージェント手数料込み)になると予想されている。
これは、(約600万ドルとされた)前年のスポンサー契約料の3倍以上の額にあたる。また、フィールド外で得る収入のランキングで今年2位のフィラデルフィア・フィリーズのブライス・ハーパーの収入(約650万ドル)の、3倍近い金額でもある。
大谷が野球以外から得る今年の収入は、少なくとも過去10年間にMLBの選手がスポンサー契約などで得た年収のなかで、最も多い金額となる(デレク・ジーターは2012~14年にかけて、スポンサー契約料で年間およそ900万ドルを稼いでいた)。
年俸は驚くほどの低額だが──
一方、大谷はフォーブスが毎年発表するMLB選手の年収ランキングには、その名を連ねていない。2022年シーズンの年俸は、わずか550万ドルとされる。最新の「最も稼ぐMLB選手」のランキングでトップにつけたのは、ニューヨーク・メッツのマックス・シャーザー。年俸5830万ドルのほか、フィールド外で得る収入は100万ドルにのぼるとみられている。
ただ、そのルックスの良さと愛想の良い態度は、大谷が太平洋のどちら側でも、マーケティングにおいて大きな成功を収められることを証明している。