大谷がパートナーシップ契約を結んでいる企業は、米ファナティクスや日本のアシックス、デサント、三菱UFJフィナンシャル・グループなど、日米両国を合わせて15社ほどにのぼる。
昨年以降に契約した企業には、暗号資産(仮想通貨)取引所のFTX、医薬品などを手掛ける興和グループなどがある。また、大谷はソニーのビデオゲームシリーズ、「MLB The Show 22」のカバーアスリートにもなっている。
経済の低迷が続く日本だが、スポーツマーケティングに特化したコンサルティング会社、トランスインサイトの鈴木友也代表によると、大谷の1件あたりの契約料は、100万ドル以上に引き上げられているという。
さらに、日本企業はスポーツ選手との契約は四半期単位とする傾向があったものの、“需要の高い”大谷は、12カ月以上の長期契約に限って結ぶこともできるようになっているという。
その大谷のおかげで、所属するエンゼルスも、船井電機やJAEエレクトロニクス(日本航空電子工業の米国法人)といったスポンサー企業を獲得している。
国際的なスター選手は一握り
大谷が日本のスター選手の一人(おそらくそのトップ)であり、彼が企業の広告塔として多額の収入を得られることは、ほぼ間違いない。その大谷の活躍で思い出されるのは、シアトル・マリナーズのレジェンド、イチローだ。イチローは2012年には、年俸1700万ドルに加え、フィールド外で700万ドルを稼いでいた。
また、日本人アスリートにはそのほか、昨年コート外で5500万ドルという驚異的な金額を稼いだテニスの大坂なおみ、マスターズ優勝でスポンサー契約料が急騰、2000万ドルを超えると見込まれるプロゴルファーの松山英樹がいる。