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2022.04.04 07:00

幸福な国ランキング常連 北欧の人々は本当に「幸せ」なのか

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先日発表された今年の「世界幸福度報告書」では、北欧のフィンランドが5年連続で世界一幸福な国に選ばれた。他の主要北欧諸国も上位10カ国にランクインし、米国や英国、カナダを大きく引き離している。

この報告書は国連の「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」がまとめたもので、米調査会社ギャラップが150カ国以上で実施した世論調査で各国の人々が自分の生活に関して自己評価した結果などに基づいている。

今年の1~3位はフィンランド、アイスランド、デンマークとなり、6位にスウェーデン、8位にはノルウェーが入ったことから、北欧諸国が上位となった理由に再び注目が集まっている。

今年のランキングでカギを握ったのは、国民同士や政府に対する信頼度だとされる。北欧では社会の中での信頼の水準が高いため、新型コロナウイルスの流行にもかかわらず北欧諸国がそろって高い順位を維持したことはこれで一部説明がつく。しかし、北欧諸国が長年にわたり高い順位を維持し続けてきたことには、他に理由があるはずだ。

・満足であっても幸福とは限らない

一つのシンプルな理由として、北欧では社会の高い信頼や福祉の充実、犯罪率や失業率の低さから、不幸だと感じる人が非常に少ないことがあるかもしれない。

筆者が以前話を聞いた北欧在住の米国人2人によると、現地での生活を表現する上では幸福よりも「満足」の方が近いという。そのうちの一人であるノルウェーの首都オスロ在住のオードリー・キャンプは、人は仕事や健康、教育といった面で安心できると、幸せな生活を送る上で重要な家族や友人、娯楽などに集中する余裕が持てるのだと語った。

また、「ヤンテのおきて」も一つの要因かもしれない。これは、デンマーク出身のノルウェー人作家アクセル・サンデモーセが1933年の小説で描いた一連の社会規範で、自己主張や個人の成功を良しとしない風潮を指す。これは現代にも通用すると考える人も多く、周囲の目から見た成功にこだわるよりも、今の居心地の良い生活を送ることに幸せを感じる人が多いのもこのためかもしれない。
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編集=遠藤宗生

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