「分散型のSWIFT」を実現する
また、2月に発生したソラナとイーサリアムのブリッジ「ワームホール」への攻撃では3億2000万ドル相当が奪われ、最終的にはトレーディング企業のジャンプ・トレーディングが弁済を行った。
フォーブスは、今回のRoninのハッキング事件についてのコメントをレイヤーゼロに求めたが、同社は回答を控えている。
しかし、レイヤーゼロの投資家は、同社がこの種のハッキング攻撃に耐えられると述べている。セコイアのパートナーのMichelle Bailheは、「我々は、レイヤーゼロに出会って初めて、ハッキングを完全に防げるテクノロジーがあることを実感した」と述べている。
レイヤーゼロのCTOのRyan Zarickは、現在はベータ版の同社の主要製品のLayerZeroプロトコルが「クロスチェーンでの直接通信を可能にするメッセージングレイヤー」だと説明している。
このプロトコルは、世界の1万超の金融機関らが参加し、1日平均5兆ドルを決済するSWIFTの分散型バージョンと考えることができる。例えば、レイヤーゼロを使えばイーサリアムのアプリケーションが、ソラナのブロックチェーン上に構築された分散型取引所のSerumの流動性にアクセス可能になる。
レイヤーゼロには、Stargateと呼ばれるブリッジが存在するが、資産の移動の処理には同じ名前のトークンのStargateを用いている。Stargateは現在約3ドルで取引されており、時価総額は約30億ドルに達している。このブリッジは、ローンチ後の2週間足らずで2億6400万ドル以上の送金を処理した。
レイヤーゼロは現在、イーサリアムとアバランチ、ファントムなどの7つのネットワークをサポートしているが、その数は今後増える見通しだ。「次の4週間ほどで、我々はソラナとテラに対応する」とPellegrinoは述べた。