オンライン支出の増加は加速しており、アドビは、今年の支出額が過去最高の1兆ドル(約118兆円)に達すると予想している。
「近年のEコマースは、値引きが少ない食料品のショッピングによって再構築されつつあり、スピードと利便性がコスト削減と同じくらい重要になっている」と、アドビのバイスプレジデントのパトリック・ブラウンは声明で述べた。
同社によると、米国のEコマースのほぼ半分は、エレクトロニクス、アパレル、食料品の3つのカテゴリに属しており、これらを合わせるとデジタル消費全体の約42%を占めている。
食料品の支出は2020年に倍増し、2022年の支出額は850億ドルに達する見込みという。最大のカテゴリであるエレクトロニクスは、2021年に1650億ドルのデジタル支出を牽引し、今年は1740億ドルに達する見込みだ。しかし、アパレルは成長が鈍化し、2020年はEコマース全体が41%急増したのに対し、9.1%の伸びで、2021年は8%増の1260億ドル、2022年は1300億ドルの見通しという。
一方で、BNPL(Buy Now, Pay Later)と呼ばれる後払いサービスが勢いを増しており、アドビによると、2020年10月から11月の間に528%の急成長を遂げ、2022年の最初の2カ月間で前年比53%増の成長となっていた。
さらに、今後の大きな課題となるのがインフレだ。アドビによると、2021年のEコマースの成長のうち220億ドル相当が価格の上昇によってもたらされており、来年は消費者が同じ量の商品に対してオンラインでさらに270億ドルを支払う可能性があると予測した。インフレとパンデミックの終了はEコマースだけでなく、一般的な消費者支出にも大きな影響を与えそうだ。