ザ・ルーミネアの共同創業者で最高マーケティング責任者(CMO)のニコラス・プリースト(Nicholas Priest)はこう語る。
「人々の意識の変化を把握するために、当社はさまざまな人たちを対象に調査を行ったが、その変化の大きさに心から驚かされた。例えば、当社の調査対象者では、かなりの割合の人が『好奇心を刺激する体験ができるかどうかという基準でホテルを選ぶ』と回答した。また、休暇旅行で一番重要な要素として、『子どもたちに情熱を伝えること』を挙げた人も多数にのぼった。その一方で、以前は高級感のあるバケーションに欠かせない要素だった部屋のデザインや良質なスパといった要素が重要だと答えた人は、今や皆無だった」
「(新型コロナウイルス感染症の)パンデミックは、最高の贅沢としての旅行の地位をさらに高めた。人は、何かをする機会が奪われてみて初めて、できないことを残念に思い、その大切さに気づくものだ」とプリーストは話を続けた。「パンデミックをきっかけに、さらに自分を磨きたいという思いを強くした人は多い。これまでの2年間、多くの人が他者とのつながりを失って自分を見つめ直していたことを考えると、これは自然な反応だ」
「パンデミックにより、人は、命のはかなさや、できる時に人生を精一杯楽しみ、充実感のある体験をすることの大切さを、改めて思い知った。新型コロナウイルスの感染拡大が収束し始めている今こそ、前に進むべきタイミングであり、この2年間抱き続けてきた夢や、深く心に根付いた欲求を満たす時だ。ザ・ルーミネアは、まさにこうしたニーズを満たすポジションにある」
ザ・ルーミネアが創業後初めて売り出すツアーのメニューには、建築家で歴史家のフランチェスコ・ダ・モストと訪ねるベネチア・ビエンナーレ国際美術展、高い評価を受けるフォトジャーナリストのドン・マッカランと英国サマセットを訪ねる撮影旅行、さらには、探検家のラノフ・ファインズが同行する南極へのプライベートツアーなどがそろっている。
「ちょっとした冒険気分を味わったり、きれいなビーチでくつろいだりするだけでは満足できない、新世代の旅行者が生まれている。こうした人々は、世界についての、リアルで新たな視点を得たいと望んでいる」とプリーストは語る。
「ある場所を訪れて、そこについての解説を聞くことは求めていない。自らストーリーに関わり、没入できる体験をすることで、何かを学び、人生観が完全に変わったという実感を持ち帰りたい──それが望みなのだ」