戦火のウクライナで「DL数急増のアプリ」と不人気のアプリ

キエフの地下鉄の駅に逃げ込む人々(2022年2月24日撮影、Getty Images)

ロシア軍の侵攻を受けたウクライナでは現在、暗号化チャットアプリの「Signal」や、インターネットを介さないメッセージのやりとりを可能にする「Bridgefy」、オフライン地図アプリの「Maps.me」などが、人気のアプリランキングの上位に入っている。

これは、現地の人々が、インターネットが停止しても利用可能なアプリを求めているからだと考えられる。

アプリ分析会社Apptopiaのバイスプレジデントのアダム・ブラッカーは2月25日のツイートで、「チャートの上位に急浮上しているアプリは、トランシーバー型のアプリやVoIPアプリ、オフラインのナビゲーションアプリ、VPNアプリなどだ」と述べた。人気の通信アプリのうちのいくつかは、Bluetoothを使ったオフライン通信を可能にしており、一般的にはハリケーンや地震などの災害時に利用が急増する。

通信アプリの「Bridgefy」は、インターネット接続に頼らず、Bluetoothを用いたメッシュネットワーク経由で、メッセージの送受信を可能にするもので、当局による妨害を避けられる。このアプリは、香港の民主化デモの際に利用されたことで注目を集め、1対1のメッセージだけでなく、エリア内に居るすべての人に向けたブロードキャスト機能も備えている。

【関連】香港デモで利用者急増の通信アプリ「Bridgefy」を生んだ米国企業

ウクライナではすでに複数の兵士や民間人が殺害され、一部の都市では停電も発生している。ダウンロードが急増したアプリの中には、航空機を追跡するものも含まれており、これは恐らくロシア軍の攻撃機を追跡するという、成功しそうにない試みのためのものと考えられる。

一方で、ダウンロード数が減っているアプリとしては、ゲームやフェイスブックなどのSNSアプリ、TikTokなどのエンタメ系アプリ、出会い系のアプリなどが挙げられる。

編集=上田裕資

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

ForbesBrandVoice

人気記事