信念に基づいた決断を下せば、生活や組織に対しより良い選択ができる。決断を下すときは次の3つの方法を活用し、あなたが持つ信念を守れるようにしよう。
1. 原則を書き出し可視化する
可視化は強力な道具だ。あなたの生活や組織の運営基準となっている指針を書き出し、その紙をデスクに掲載しよう。
あなたの信念は何だろう? また、組織はどのような行動原則を持っているだろうか? こうした原則には、社会的影響や透明性、信頼・安全、アクセスのしやすさ、自主性、平等性、イノベーション、前向きさなどが含まれるかもしれない。
自分が持つ信念を確認し、それを実践すること。
2. 人間主導の意思決定プロセスを作って維持する
人や組織は、より迅速に決断を下すため人工知能(AI)のような技術に頼ることが多い。コンピューターのアルゴリズムを活用すれば決断は楽になるが、ロボットやAIは全てのケースに対応できるわけではない。
人間は時につらい仕事をこなし、優先事項の比較や妥協の模索、原則の再考などが必要な難しい決断を下さなければならない。エンジニアは、あなたの行動原則を守るような技術基盤のプロセスを構築できるが、それが毎回うまくいくとは限らない。
信念を守り技術を改善するには、人は技術と共に働かなければならない。
3. 議論と適応を可能にする
改善を受け入れることは、全ての人や組織にとって成長、評判、長期的存続の鍵だ。問題が起きた場合は、そのことに関して議論することに前向きになろう。厄介な問題に関する決断を技術、あるいは1人の人間だけに頼っていれば重要な側面を認識できず、信念に基づいた擁護可能な決断を下せない可能性がある。
社会的な変化を反映させるために、信念を守っていたこれまでの方法を変更することが必要になる可能性も認識すること。例えばフェイスブックが設立したオーバーサイト・ボード(監督委員会)では、学者や専門家集団が多様性やインクルージョン(包摂性)、ユーザーの安全確保のためにメタ(Meta)の指針をテストしている。
委員会の議論により、メタ社は方針や透明性のレベル、実施水準を変えることを考慮することになった。その結果メタは、ヘイトスピーチに関する方針の根拠に言語を追加し、フェイスブックのコミュニティー規定を守らないユーザーへの罰則の科し方を発表した。
信念に基づいた決断は人を導く光で、それを守るには適応が必要かもしれない。
意思決定は難しく、指針はその手引きとなる。指針を守るにはそれを書き出すだけでなく、意思決定のプロセスに人間的要素があるようにし、議論と改善の機会が用意されていることを確認すること。