「現代自動車は、世界的なチップ不足やパンデミックによる厳しい事業環境にもかかわらず、電動化への移行をうまく加速させ、EVのグローバルリーダーになりつつある」と、同社の張在勲(チャン・ジェフン)社長は2日に開かれたイベントで語った。
調査会社マーケット・リサーチ・フューチャーは、世界のEV市場が今年から24.5%の年複利成長率(CAGR)で成長し、2030年までに9570億ドル規模に達すると予測している。しかし、競争が激化する中、世界的なチップ不足によって昨年の世界の自動車生産台数は1130万台の減少になったという試算もある。
現代自動車は、EVのラインナップを強化し、生産能力を最適化することで2030年の目標を達成する計画だ。張社長によると同社は、電動化に19.4兆ウォン(約1兆8500億円)、ソフトウェアに12兆ウォンなど、将来の事業投資向けに総額95.5兆ウォンを確保したという。
調査会社ラックス・リサーチのクリス・ロビンソンによると、19兆4000億ウォンというEV向けの投資額は、他の自動車メーカーと比べると、「実はそれほど大きくはない」という。例えばトヨタ自動車は同時期に「その2倍以上」の4兆円をEVに投資する計画で、フォルクスワーゲンの投資額はトヨタを上回る。
現代自動車は、現地サプライヤーからのバッテリー調達を重視しているため、他の自動車メーカーよりも資本配分を抑えている可能性があるとロビンソンは述べている。韓国には、世界5大EVバッテリーメーカーのうちの3社のLG、SK、サムスンがある。
しかし、トヨタとフォルクスワーゲンが独自のバッテリー工場を建設しようとしている中で、「現代自動車は、バッテリーと車両生産の拡大に追加の投資を行わなければ、2030年までに7%の市場シェアを獲得するのは難しい」と、ロビンソンは付け加えた。
韓国とチェコにEV工場を持つ現代自動車は今年、インドネシア工場でもEVの生産を開始する計画という。同社はまた、米国を含む主要地域のベンダーとの提携で、バッテリーの供給を確保する方針だ。