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2021.05.20 12:10

韓国ヒュンダイが米国でのEV製造に8000億円投資、水素にも注力

Yuriko Nakao/Getty Images

Yuriko Nakao/Getty Images

韓国の現代自動車(ヒュンダイ)グループは5月13日、米国におけるEV(電気自動車)の製造や水素ステーションの拡大に向けて、今後4年間で74億ドル(約8080億円)を投資すると発表した。売上高で韓国第2位の財閥である現代は、来年から米国のEV工場を稼働させる計画だ。

米国への投資は、韓国の自動車メーカーの競争力向上につながると、調査会社Lux Researchのアナリストのクリス・ロビンソンは話す。「各国の政府は、EVの普及を促進するだけでなく、現地でのEVの製造を促進する政策にますます注力している。今回の投資により、現代は米国での競争力を高めることができる」と彼は述べた。

Guidehouse Insightsの主席研究員のSam Abuelsamidは、「EVの現地生産は輸送コストの削減につながり、特に輸送中の安全面でリスクを抱えるバッテリーの供給に有利だ。現地の需要に生産キャパシティを最適化することで、サプライチェーンの混乱のリスクを軽減できる」と述べた。

現代のEVに関する最大の課題は、バッテリーの供給の問題であり、サプライヤーから入手できる数も限られているという。

さらに、現代自動車は水素エネルギーへの注力も進めようとしている。同社の会長のチョン・ウィソン(鄭義宣)は2019年に、世界中に「水素社会」を構築していくと述べており、今回の74億ドルの投資の発表の際にも、「米国での水素エコシステムの推進に尽力する」と述べた。

昨年、現代は米国エネルギー省と水素燃料電池技術に関する覚書を交わしており、そこには、水素燃料ステーションの設置も含まれていた。

2018年12月に、チョンは現代グループとそのサプライヤーが、2030年までに水素の研究開発と施設の拡張に7兆6000億ウォン(約7100億円)を投資すると発表した。同社の水素への取り組みは、韓国の文在寅大統領にも支持されている。文政権は、化石燃料や原子力発電を廃止し、水素などのクリーンなエネルギー源に切り替えることを推進している。

編集=上田裕資

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